エレファントカシマシDB ライブレポート

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レポート

   
選択日付タイトル
19900217 大宮フリークス
受験のため東京へ来ていた自分はたまたま買ったタウン誌でエレカシのライブがある事を当日発見。まさかと思ってライブハウスへ問い合わせた所チケットが残っていると聞いて、宿泊していた田端から急いで会場へ向かった事を覚えている。会場は狭くその上両サイドに大きな柱があり非常に見づらい。タバコの煙が室内を曇らせ、パイプ椅子が雑然と並べられていた。ぼーっと天井を眺めている者、腕組みしながら壁にもたれ掛けている者、パイプ椅子にうつむきながらちょこっと座っている女性、ざわめき感も無く、これからライブが始まると言った高揚感が一切見られない。そんな中PM7:00過ぎ 当時では珍しくほぼ時間通りにメンバー登場。そして宮本が最後に現れた瞬間それ迄静まっていた会場から、歓声と罵声がこだまする。「よっ!宮本」「うつむくな!」「俺が師匠になってやる」(「師匠が欲しい」と雑誌のインタビューで答えていた為)。そんな周囲に一切耳を貸さず、「おはよう こんにちは」が始る。叫ぶ・がなる 原始的なその唱法 命果てるかの様に歌い上げる宮本をただ呆然と見るしかなかった。しこを踏む様な動作、白いYシャツのボタンがはだけ、首廻りをかきむしる。「優しい川」「うつらうつら」「GT]など間髪入れず歌い続ける中、僕はおそらく微動だにしていなかっただろう。会場に来ている人間全てがそうではなかっただろうか?その日宮本は結局MCをしなかった。客に対し罵倒もなく、一番前で見ていた二人組が何やら会話していた際、指で会場から出ろと命令しただけだ。でもそんなもの一切必要なかった。宮本の歌が全ての人間を自失させてしまったからだ。2ndと3ndのみの構成で、全10曲1時間弱のライブ。ただ終わった後も震えが止まらず、意味無く拳を握り締めていた。

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