蔦谷好位置やヒラマミキオ、金原千恵子ストリングスとの演奏は以前も見ているし、
安定感もあるが、今回のホーンセクションを迎えての演奏は新鮮だった。
これからエレファントカシマシがどんどん渋いバンドとして色気が増していく中で既存のギターやピアノのサウンドをメインとしていくだけでなく、今回の様なそれ以外の楽器とのコラボは重要な要素の一つであると思う。
本編最後の「あなたのやさしさをオレは何に例えよう」を生で聴いていて、
個人的にエレカシを聴いてから初めてといっても良いくらい感動的な開放感を感じた。
ミヤジのボーカルは時に繊細さも含んでいてそこが魅力の一つだが、
ハードロックやヘビーなナンバーにおいては太くてかなり荒々しいスタイルになるので、時として氏のボーカルに「雑」な印象を持つリスナーも少なくはないと思う。
(事実、アンチはそうした部分を引き合いに出してに批判をしたがる)
ただ、4月25日発売予定の新譜のボーナスCDなどをしっかり聞かないと厳密には何とも言えないが、今回のホーンセクションで取り上げた過去の曲達の中で、今後の方向性云々について言及したいのではないが、氏のボーカルが新たな躍動感を得ようとしているのではないか、という印象さえある。
自分の知っているエレファントカシマシについてだが、80年代末期にデビューして以来、不動のメンバーで、しかも同級生という奇跡的な構成で、一時はミヤジの内面を掘り下げ続けた作品を発表し、カルト的な人気を得ていた時期があったりしながらも、現在は比較的「良い曲」作りを中心に安定した活動寄りのスタイルになってきているという印象を持っている。
そうした「俺の道」を行くバンド活動の中で、「エンターテインメント」と言う言葉を一つ取っても、あまりに幅が広すぎるので定義の話は割愛するとしても、バンドサウンドやバンドの方向性追求の中でギターサウンドやピアノだけでクリエイトしていくのは、(それはそれでかなり魅力的なのだけれど)現在のエレファントカシマシにとってはどれだけ重要な事なのだろうかと感じる。
それらは過去から現在までに多くのファンを魅了し、新たなファン層を開拓してきた上で誇るべき事であり、実際自分もそこに魅了された一人であるが、それらは既に歩んできた道である。
無理をして、安易なヒットを狙い続ける路線はただ退屈な作品を生むに過ぎないのでそんな必要は無いのだけれど、純粋にエレファントカシマシの新しい側面として、音楽のバリエーションを更に豊かにする試みや、音楽をクリエイトしていく中での「エンターテインメント」性の追求というのは、一部分的にはあったにしても本格的にはまだ無い試みではないだろうか。
今まで使用する事の無かった新たな楽器をサウンドに加える想定での楽曲作りなど考えられる事は色々とある。
もちろん今でも唯一無二のバンドではあるのでその路線でも十分素晴らしいが、現存する日本屈指のロックンロールバンドとしてのエレファントカシマシの更なる可能性を一人のロックファンとして見てみたいと感じさせる程にこの日のライブは充実していたと思う。
No. | 曲名 | 回数 |
---|---|---|
1 | 今はここが真ん中さ! | 4回目 |
2 | おかみさん | 3回目 |
3 | 真冬のロマンチック | 初!! |
4 | soul rescue | 初!! |
5 | 精神暗黒街 | 初!! |
6 | 未来の生命体 | 初!! |
7 | 寒き夜 | 2回目 |
8 | リッスントゥザミュージック | 初!! |
9 | 季節はずれの男 | 2回目 |
10 | 風 | 初!! |
11 | 明日への記憶 | 6回目 |
12 | 漂う人の性 | 初!! |
13 | 傷だらけの夜明け | 初!! |
14 | 普通の日々 | 2回目 |
15 | 旅 | 5回目 |
16 | 笑顔の未来へ | 6回目 |
17 | 俺たちの明日 | 6回目 |
18 | あなたのやさしさをオレは何に例えよう | 初!! |
19 | Sky is blue | 3回目 |
20 | ワインディングロード | 初!! |
21 | 東京からまんまで宇宙 | 初!! |
22 | ハナウタ~遠い昔からの物語~ | 5回目 |
23 | 桜の花、舞い上がる道を | 3回目 |
24 | パワー・イン・ザ・ワールド | 2回目 |
25 | ガストロンジャー | 7回目 |
26 | ファイティングマン | 8回目 |
27 | 悲しみの果て | 7回目 |
28 | so many people | 3回目 |
29 | 待つ男 | 2回目 |
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