エレファントカシマシDB 2018/03/18(日) 30th ANNIVERSARY TOUR THE FIGHTING MAN SPECIAL ド・ド・ドーンと集結!!〜夢の競演〜 トルツメさんのライブレポート

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トルツメさん

いやー、すごかった。
夢の競演、どこを切れば良いのか分からないくらいミラクルの連続だった。数日経った今も余韻が残る。
アリーナ33列12番。ブロックの、ステージに近い方の端だったので視界が開けていた。

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なにやらファンタジックな出囃子が・・・そして“春の歌”で開演。トップバッターはスピッツだった。
“今日は主役じゃないんで、知らん人もいるかも・・・スピッツというバンドです!お見知り置きを。
エレファントカシマシのイベントに呼んでもらえるのはとても光栄なことです。俺は28年前からファンで、
昔は正座して聴いていました。今は立って聴いています”と、背筋ピーンの仕草。
“今日は頑張ります、よろしくお願いします”
真摯な挨拶とともに始まった「チェリー」。そして続けざまに、『ハチミツ』が発売された当時繰り返し聴いていた「愛のことば」で感無量。
カバー曲「浮雲男」は、もうスピッツだった。「ぷかり〜ぷかり〜ぃ〜」の滑らかな声に、煙が雲になることもきっとあるだろう、と。
「涙がキラリ☆」は、宮本さんがフェスで涙したというリフでふわ〜っと世界が広がった。
「恋する凡人」はみんなと一緒にジャンプし、「スパイダー」はみんなと一緒に手を振った。
スピッツのライブは手拍子をする人が多いようだった。

草野さん:ミスチルもエレカシも同世代のバンドで、アマチュア時代にライブハウスでやってた頃を思い出して緊張するんだよね。
田村さん(かな?):しかもトップバッターって久しぶりだよね。
草野さん:そうなんです。俺らも高齢になってきたので〜〜
田村さん(かな?):フェスだとケーキとか置いてあるけど、今日の楽屋はあんこ系が多かったよね。
草野さん:あんこ系多かった(笑いと相づち)。
エレカシでは見ることができないステージ上メンバー同士の掛け合いは、なんてことない話でもやけに新鮮。

“宮本さんがインタビューで言ってたけど、40代は若者の老年期で、(客席に向かって)40代いる?老年期よ?
だけど50代は老人の青春期なんだって。(メンバーに向かって)だから俺らいま青春を生きてる。
スピッツも、Mr.Childrenも、エレファントカシマシも、長く長く続くように祈ってください。
ご長寿バンドを目撃したみなさんも、きっと長生きできると思います”
草野さんは、明るく切なく懐かしいスピッツのメロディーそのものみたいな人だと思った。

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転換20分後、ステージが明るくなって「Everything(It’s you)」が始まった。
途端、ここはホールや箱ではなくアリーナだったとふと思う。
「innocent world」は生で初めて聴くはずなのに、瞬間的に身体になじんだ。アクエリアスだけに。
“めっちゃくちゃ楽しみにしてきました。何より今日は、みなさんお得です。こんなこと最初で最後だと思います”
“(客席)え〜”
“いや、また宮本さんに誘われたら話は違いますけど”
30周年の祝祭に衣装はフォーマル感あり、曲に乗せた“おめでとうございます!”の言葉。こういうとこ、分かりやすくスターだ。
2015年、ZEPPの2マンでは分からなかったけど、桜井さんはすごく動く。
そして“みなさんの歌が聞きたいんですけど”と言って客に歌わせる。
歌ってみると意外と楽しくなる。“ありがとう〜!”とスクリーンに大写しのクシャクシャの笑顔。スターだけどフレンドリーだ。
宮本さんの“俺の歌を聴け!”と言わんばかりのパフォーマンスとのギャップがすごい。

“エレファントカシマシさん、大好きなんですよ。
Mr.Children初めての人は、いや、エレカシを観に来たんだと流してくださって結構です。
だけどちょっとだけ聞いてください、大好きなんです”
と言って、好きになったきっかけを語り出す桜井さん。
“88年に受けたソニーのオーディションに最終選考まで残りつつも落ちたことが悔しくて、
ソニーの人に電話で理由を聞いたら、個性がないと言われて。
一緒に受けたのはブーム、すかんち。確かに自分たちは髪を立ててないし、衣装も地味でした。でも待てよ、
2年前の同じオーディションに受かったエレカシは自分たちよりも地味・・・
一体どんなライブをするのかと偵察・・・勉強のため、エレカシが出演する明治大学の学園祭に行って。
そしたら、ご存知と思いますが、すごかった。見た目が派手な人たちより、誰よりも熱く、激しく、かっこよかった。
それからしばらくエレカシを聴いてました”

“自分たちがカバーしたい曲がエレファントカシマシさんの本編と被るのは嫌だから、マネージャーさんを通して確認してもらったところ、
なぜこんな地味な曲を・・・本人たちもあまりやってない、ということで・・・エレカシファンの人はトイレ行くとこです”
ライブの最後の方で、今年に入ってからのモチベーションはこの日だったと言っていた。
オリジナルを意識してか、ビブラートを抑えた「太陽ギラギラ」は嬉しい驚きだった。
囁くような“俺にはやつらがバカを捨て〜”から、“あ〜あ〜本当に〜楽しいの〜〜!!”という叫び。情緒多めの歌に宮本さんの存在を感じた。
アウトロはぜひ桜井節炸裂で最後までやって欲しかったけど、ミスチルファンが引くかもしれない。
“調子に乗って最後に歌います・・・なにをし〜ても〜”と美声で「やさしさ」の冒頭、からの「名もなき詩」。
「やさしさ」もフルで聴きたかった。

2組のカバーの選曲に宮本さんは、“カバーされるのは古い曲なんですね”と言っていたけども
同じエレカシファンとしては、誠に勝手ながら親近感を持った。

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転換15分後、我らがエレファントカシマシ。
夢見心地から叩き起こされた「RAINBOW」。往復ビンタをくらうかのような怒りテンションの「奴隷天国」。
コレですコレ。マゾっぽいけど欲しいのはコレ。
前日、“出し尽くした感があるんだけど”と言いつつアンコールに応えて泣きながら歌っていた人と同一人物。
30周年のツアーで参加した中でも、この日の歌は最高だった。
曲数が少ないと精度が高くなるのか、スピッツとMr.Childrenへの対抗意識からか。
畳み掛ける「星の砂」。ッアッアッアッア!とリズムを裏で刻む姿がエロかっこいい。
「風に吹かれて」は、みんな見事に揃って手を振るので私もつられて参加した。
「悲しみの果て」も「笑顔の未来」も「桜の花、舞い上がる道を」も「今宵の月のように」も、声がめちゃくちゃ出ていた。
「風と共に」も素晴らしく、最後歌詞のミスがなければと悔やまれる。反射的な立て直し方が宮本さんらしいなと思った。
「ガストロンジャー」、秀逸。“さいたまベイビーさいたまベイビーさいたまベイビー!
たまたまベイビーたまたまベイビーたまたまベイビー!サイサイサイサイ!”とまくし立てる。“お尻出してブー!”
新曲「Easy Go」は、息継ぎが大変だから練習しないと、と。こういう姿に本当にいつも元気をもらう。
比較しても意味ないけど、スピッツとミスチルはこの完成度で新曲を披露することはあるのだろうか。
「FLYER」は久しぶりに聴いたら、やっぱりすごくかっこいい曲だった。

たくさん話していたけど半分以上忘れてしまった。そしていつも以上に何を言っているのか分からなかった。
“みなさんようこそ!こんなみっともない姿をさらしてすみません、何がみっともないのか分かりませんけど、
スピッツとMr.Children、ほんと素晴らしい。まあいいじゃないですか”
分かるような分からないような、謎の言葉とともに興奮が伝わってきた。
“Mr.Children、スピッツ、エレファントカシマシ、順不同、どうでもいいですけど、最後までみんな楽しんでいってくれ!
いい顔してるぜー!かっこいいぜー!かわいいぜー!よく見えないけど!”
最近よく使う、“よく見えないけど!”に加え、“おそらく!”みたいなパターンのオチもあるようだった。
“言い訳ですけど、昨日まで30周年のツアーに集中してまして、すいません、カバー曲、次は何か練習して〜〜”
ふとWOWOWのドキュメンタリーを思い出し、夏のフェスで確か「いとしのエリー」を・・・。
“契約が切れている時にミスチルの『Atomic Heart』が出て、300万枚、若いすごいのが出てきた!やべーぞ!と。
あの時は若いって思ったけど、今となってはあまり変わらない。
140歳と150歳はあまり変わらないけど、0歳と10歳だと大分ちがう。お分かりいただけたかと”
みんなウンウンと温かく見守る。
“スピッツの「涙がキラリ⭐︎」は、私が好きだというのを知っていて、草野さん演ってくれたのでしょうか”
「innocent world」は、桑田さん主催のAAAのイベントで聞いて号泣、「涙がキラリ⭐︎」は、RIJフェスで聞いてまた号泣、と目から涙の仕草。

アンコールの「ファイティングマン」。
最初はエレカシメンバーのみ登場で、やっぱりセッションはないよな〜〜と思ったら、“ちょっと呼んで、歌っていただこうかと”
びっくりした。まさかこの3人で一緒に歌う姿が拝める日が来るとは思わなかった。スピッツはサポート演奏、ミスチルはタンバリンとダンスだったか?
草野さんも桜井さんも、何でも自分の歌にしてしまえる。“オーイエーーーーイ”を長めに伸ばす草野さん。
歌の前の宮本さんの、ほぼ独壇場の総合司会が笑えた。
草野さん:トップバッターだったから他のバンドを観たら反省点があって・・・
宮本さん:桜井さん、俺の歌どうでした?
桜井さん:いや、良かったですよ!
宮本さん:無理やり言わせてすいませんねぇ。
って子供か!草野さんの反省点が何だったのか気になって仕方ない。桜井さんも笑うしかない。
宮本さんはこのイベントの趣旨がいまいち解ってないと言っていたが、この意図を汲むのは難しかった。
本人は半分本気だろうけどあのキャラで笑いの方向に行くのである。今日も通常運転なのだった。
最後客席に向かって3人で肩を組んでお辞儀。右に草野さん左に桜井さん、両手に華の宮本さんが微笑ましかった。

ライブ後の、清々しいような晴れ晴れとしたような、満たされた気持ちは一生忘れない。
血の巡りが良くなりました。長生きできそう。ありがとうございました。

No.曲名回数
1RAINBOW19回目
2奴隷天国12回目
3悲しみの果て63回目
4星の砂17回目
5風に吹かれて29回目
6笑顔の未来へ45回目
7桜の花、舞い上がる道を28回目
8風と共に6回目
9ガストロンジャー56回目
10今宵の月のように46回目
11Easy Go2回目
12FLYER29回目
13ファイティングマン55回目


持帰り用体験回数(コピーしてご利用下さい)


持帰り用セットリスト(コピーしてご利用下さい)

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