エレファントカシマシDB 2020/10/04(日) 日比谷野外大音楽堂 たきさんのライブレポート

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たきさん

チケットがあたったのです。
それも、非常にいい席でした。
今回、コロナのためにAブロックから時間を決めての入場となっていたのですが、私は開場時間の3:30pmに入場しました。
完全自慢だよ。宮本さんから10m離れてない感じでした。
今まで野音でこのような席になったのは、ファンになって初めての野音、2006年のみです。
あのときは、渋谷AXに当日券が出るくらいでしたから、倍率が低かったのでよい席になったのだけれど、こんなのもう2度とないだろうと思っていました。それが、コロナで席が半分で、1日しかないこの野音になんであたったんでしょうね。
なんかの運と引き換えなんでしょうか。私、先日転職の面接したばかりなのですが、それはもう諦めましたよ。

さらに、私、実はちょっと後ろめたい思いもあったのですね。
私はこのチケットに値するほどのファンではない、という。
野音はこの前の2年間チケットがあたらず、諸事情で外聞きもしていませんでした。
諸事情でというより、簡単に言えば、熱意がなくなっていたのです。
理由を探せばいろいろ探せるけれど、結局、熱意の問題だよね。
最近の宮本さんの曲も、YouTubeやAmazon Musicで聴いて、ひとつひとつはいい曲だなと思ってたけど、以前のあの熱烈なファンだったときのワクワク感はなく、アルバムさえ買いませんでした。(Amazon Musicで聴いたんだけど。)
YouTubeのコメント欄や、インスタグラムのコメント欄をちらちら見ると、ファンの人がいろいろ書き込んでいますが、それを、なんだかもやもやとした思いで眺めていました。
だから、チケットをダウンロードして、座席の番号を見たとき、嬉しいっていうより、「なんで今?」という感じでした。
いや、嬉しかったけれどね。にやにや顔が笑ってはいたけれどね。
10年前の私にこのチケットをあげたら、めちゃめちゃ狂喜しただろうに。
このチケット、10万円出しても買いたい人がいるだろうに。
という後ろめたさです。

というわけで、3時間ほどかかって野音に着いて、「立ち止まるな、待ち合わせするな」という拡声器のお兄さんの声を聴きながらおにぎり食べて、すぐに入場し、マスクの下で半笑いしながら、まだ人のほとんど入っていない野音の階段をどんどん降りて行ってkindleで小説読みながら待ち、開演まであと数分のところでkindleしまって、開演時間になったら、宮本さんが出てきた。

出てくる前のスタッフの人の声が聞こえるし、出てくるときの表情までが見えるのだよ、この席からは。(自慢です。)
顔がめちゃめちゃ気持ち悪いにやにや笑いになるのを止めることができませんでした。
マスクしててよかったと思った。
同時に、私って、宮本さんから見えてるかも、と初めて気になり、もう少し着るものに気をつかうべきだった。マスクもアベノマスクじゃなくって、エアリズムマスクでも買うんだったか、とくだらないことが突然気になりだしました。

しかし、一発目から野音だったよね。夢のちまた。Dead or Alive。
ギターのおにいさんは知らない人だったけど、石君は石君だし、トミさんも成ちゃんも同じだった。まったくのエレカシだった。
エレカシは根本的に正しいのだ。よかった、よかった、「お父さん、お母さん、離婚しないのね」とほっとした子供みたいだった。
宮本さんもエレカシを求めているのだと、野音を求めているのだと、これが正しいのだ、と、そんなことを感じながら聞いていた。

一晩たつといろいろ忘れてしまったので、セットリストを見ながら書くことにした。
うんうん、何もなき一夜、無事なる男、どこがというのはもう忘れたけど、いいなと思ったのは覚えている。
珍奇男も、リズムが崩れかけぎりぎりのところをぐわーっと連れて行かれる感じが、これよ、これ、という感じでした。めちゃめちゃよかったと思います。
晩秋の一夜、月の夜(ここでギターの音がならずにやり直したんだっけ?)、武蔵野、この流れがとにかく最高でした。
武蔵野のギター、よかったな。すごく気持ちいい演奏だった。
なにしろ宮本さんがこの一連の曲を大事に思っていて、今ここで、野音で、演奏しているのを大事に思っているのがダイレクトに伝わってくるのです。会場ののりも最高だったと思う。私からはよく見えないけど、宮本さんの様子を見るに。
このときは、今日のハイライトはこれだな、と思っていました。

次のパワー・イン・ザ・ワールド。いいよね。でも私の体力がなくて、ちょっとここで疲れだしてしまいました。
次の悲しみの果てはちょっと私の集中が途切れていましたが、次のRAINBOW。とてもいい曲だ、と思いました。
普段は宮本さんが力を振り絞って歌うのは、実はそこまで好きではないことがあるけど、今回は、なんか、それがよかったな。
ガストロンジャーも。
ズレてる方がいい、は実はそこまで好きではない。
でも俺たちの明日はとてもいい曲だ、と改めて思いました。
ここで第一部終わり。宮本さんの表情と様子がとてもよかった。

第二部登場後のハナウタ、最高じゃなかったですか。最高でした。この曲好きなのです。
今宵は歌い出しがよかったことしか覚えていないけれど、友達がいるのさはよかったな。
野音の友達がいるのさは、格別ですよね。宮本さんの思いがこもるから。
かけだす男! なんか会場ののりがものすごくなってきたよ。もちろん私も。
so many people。会場、壮絶にのってました。今日のハイライトはここだったか、とこのとき思いました。

「野音だから」と言って、急遽「男は行く」。石君とギターの人がギターを取り換える前に始まってるところが面白かった。
しかし、この野音、女性率がすごく高かったと思います。少なくとも私のまわりは20対1くらいだった。このときまわりを見回して数えたから確かです。
以前の野音の男女比率はせいぜい3対1くらいだったような気がするのに。ファンクラブに入っている人が圧倒的に女性ばかりなのかもしれない。以前は、旦那さんとか彼氏とかを連れてきていたのかもしれない。
野音だからと言って20分の1の観客対象の曲(というわけでもないんだろうけど)をやる宮本さん。

ファイティングマン、それから、これも急遽やることになったっぽい星の降るような夜に。野音のこの曲はいい。
風に吹かれては、「男は行く」と対照的に、女性向けの曲、という位置づけらしかった。そういう風に聞こえました。
私が女性だからかもしれない。
最後の曲にふさわしい演奏でした。

でも最後の最後は待つ男で、やっぱりエレカシはこれで終わらないと! ですよね。

もう、この席は本当に2度とないんだろうな、と思いながら会場を後にしました。

結論は、「野音だった」でしょうか。
あと、私がこのチケットで聴く権利は、あったと思います。
私はこの野音の観客として相応しかったと思います。

エレカシに戻ってくれないかな、と思っています。宮本さんがソロでやりたいっていうんだから、そう思わないようにしてたけど、そう思っています。そろそろ戻ってくれないかな。
この野音で唯一足りないところがあるとしたら、宮本さんが最近エレカシで曲作っていない、ということでした。
ノスタルジックだけでは足りない。
宮本さんがソロでやるのは正しいことなんだろうし、みんなそう言ってるし、音楽業界の人達もそう言ってるんだろうし(インタビューとかまったく読んでないから知らないけど)、きっとそうなんだろうけど、でも、私は、宮本さんがエレカシの限界の中で不自由そうにしながら新しいものを生み出しているのがよかったんだな、と思います。
熱意のフォーカスがしにくいのです。エレカシと、ほかにわかれていると。私の都合ですが。
単なる私の都合だし、そう思ってもどうにもならないし、何の影響もないから、別にここに書いてもいいでしょう。

No.曲名回数
1夢のちまた6回目
2DEAD OR ALIVE5回目
3Easy Go3回目
4地元のダンナ11回目
5デーデ26回目
6星の砂14回目
7何も無き一夜3回目
8無事なる男3回目
9珍奇男25回目
10晩秋の一夜3回目
11月の夜9回目
12武蔵野11回目
13パワー・イン・ザ・ワールド7回目
14悲しみの果て55回目
15RAINBOW11回目
16ガストロンジャー50回目
17ズレてる方がいい20回目
18俺たちの明日47回目
19ハナウタ~遠い昔からの物語~19回目
20今宵の月のように44回目
21友達がいるのさ18回目
22かけだす男4回目
23so many people21回目
24男は行く9回目
25ファイティングマン40回目
26星の降るような夜に8回目
27風に吹かれて22回目
28待つ男15回目


持帰り用体験回数(コピーしてご利用下さい)


持帰り用セットリスト(コピーしてご利用下さい)

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