エレファントカシマシDB 2009/09/23(水) サンキュー!サンジュー!ディスクガレージ~MUSIC PARTY~ 普請虫さんのライブレポート

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普請虫さん

 SEもなくメンバー登場。最初に宮本浩次。あとに5人がつづく。舞台天井から各メンバーを照らすピンスポットのなか、印象的リフがはじまる。【俺の道】である。久しぶりに見る緊張感のある立ち上がり。扉ツアー以来か? 客席にも興奮が伝播した。
 つづく骨太なリフにまたしても客席が興奮する。【おかみさん】である。アルバムツアーの時よりも、なおいっそう骨太になった印象がある。【俺の道】の続きにやったことで、未来絵図としての滑稽さよりも、永劫かわらない生活の無骨さのようなものを浮き出していた。
 
 ここ数ヶ月のライブでは『good morning』の楽曲に焦点が当てられている。どうしてもリズム隊への理不尽な処遇が思い出されるが、最近はトミも成ちゃんも嬉々としてこれを演奏するので心配がない。今回の【ゴッドファーザー】も、打ち込みのリズムに消されがちだったが、しっかりとトミも自分のリズムを重ねて、当時を取り戻すように参加していた。
 【悲しみの果て】【風に吹かれて】は、いつもどおり鉄板の演奏力。対バン・イベント前半がZAZEN BOYSで、バンド演奏中心の楽曲だっただけに、エレカシに代わってからの後半は、完全に歌モノ音楽の世界に彩られた。演奏力では敵わないものの、歌唱力、歌+メロディの力でははっきりとエレカシが優っていた。
 
 フェスセット、対バンセットでも定番と化した【ジョニーの彷徨】。エレカシのダークサイドを象徴するような楽曲なだけに、キャニオン時代の楽曲のあとに谷間をつくっていた。何しろ克己の鬼が「探している」のだから、生中な「彷徨」になるわけもなく、生中な「咆哮」になるわけもないのだ。石君が効果音やリズムチェンジなどのために何度もPC前に貼り付いた。
 今回は【リッスントゥザミュージック】がとてもよかった。何といって、後半の絞り出す高音まで嗄れない声で歌えたからである。バラード→ロックになる劇的なる曲は、エレカシのキャリアのなかでもすばらしくドラマティックな一曲である。その物語性の豊かさに客席がみな酔いしれていた。
 つづく【珍奇男】。ギターの掛けあい演奏が印象的であった。と同時に、いつも以上にパワフル・ドラムなトミが、ギターに負けじとその存在をアピールしていた。単独公演に足を運んだことのない人たちや、最近の楽曲しか知らない観客には、その存在感とグルーブ力を印象づけたと感じた。
 
 【何度でも立ち上がれ】。この曲はかなり久しぶりだ。力強いアコギを宮本がかき鳴らしながらいきおいのあるロック調というのが、あの頃は珍しかったので、エレカシの大きな転換点が来ているのを宣言された気がした。ユニバーサル移籍後、『DEAD OR ALIVE』収録の楽曲に再び焦点があたっているのも、再び転換点がバンドに訪れているからかもしれない。
 【コール アンド レスポンス】は2006年の秋公演以来である。この曲も【ガスト】同様に、録音は打ち込みの個人作業であったけれど、ライブでバンド演奏を重ねるにつれて、バンド演奏による楽曲としての位置づけが固まって来た。蔦谷好位置が大好きな一曲らしいので、そこから取り上げられたのかもしれないが、その選択に誤りはない。間違いなくバンドの代表曲である。
 【FLYER】はいつもどおり最終盤をもりあげる楽曲。メンバーの首振りもあるし、宮本がステージ狭しと歩き回るシーンも定番、昼海幹音だけが首振りもせずポーカーフェイスなのもいつもどおりの光景だった。「落ち合おう」のところで、宮本は両手の親指を立てて、「Good!」ポーズで再会をアピールした。そして【ハナウタ】である。終盤の【ハナウタ】という曲順はめずらしく、【FLYER】の後引きということもあるのだろうが、美しい幻想物語ではなく、力強いタンポポの花のようなイメージの歌になった。むしられても、むしられても、土手に咲く花のようだといえばわかるだろうか。
 
 タイトな対バンセットの最後を飾るのはやはり【ファイティングマン】だった。これはあらかじめ決められた終幕の曲だったと思われ、たとえアンコールの拍手が鳴り続こうと、現れる気配すらなかった。しかし、それは武道館公演同様に成功であると感じた。タイトなライブは、タイトであるからこその完成度があり、そこに余計に付け足すと本編の印象を台なしにしてしまう。

No.曲名回数
1俺の道11回目
2おかみさん2回目
3ゴッドファーザー2回目
4悲しみの果て25回目
5風に吹かれて12回目
6ジョニーの彷徨3回目
7リッスントゥザミュージック4回目
8珍奇男12回目
9何度でも立ち上がれ3回目
10コール アンド レスポンス6回目
11FLYER7回目
12ハナウタ~遠い昔からの物語~4回目
13ファイティングマン13回目


持帰り用体験回数(コピーしてご利用下さい)


持帰り用セットリスト(コピーしてご利用下さい)

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