エレファントカシマシDB 2013/09/15(日) 日比谷野外大音楽堂 トルツメさんのライブレポート

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トルツメさん

まず、元気に歌う姿を見ることが出来て嬉しかった。ほぼ宮本さんレポートになってしまった。石君の髪の毛がブロンディというか、黄色かった。宮本さんに、“晴れの舞台に染めてきました。見てやってくれ。頭皮が痛いとか言ってたけど大丈夫?”と、いじられていた。このお約束の感じも何もかも嬉しい。
“嵐の前の静けさ。すごい晴れ男か晴れ女がいるんじゃない?”ということで、秋雨ならまだしも台風は想定外だったが、空は少し雲が流れるくらいで雀が頭上を舞っているのを見ると、今日のところは一旦待ってくれたようだった。

先に5人登場。「平成理想主義」のイントロが繰り返され、宮本さん登場。“イェー、エブリバディ!”と挨拶ひとつ。“いい風吹いて!理想主義で行けーーーー!!” こっちの耳がキーンと鳴るくらい張り上げる声を聴いていると、本当に快復したんだなあと実感。昨年の『MASTERPEACE』ツアーを思い返しても、確実にそこからパワーアップして戻ってきてくれたようだった。“アイライク、んー…空! アイライク、アイライク、えー、自分? アイライク、日比谷の野音!”
このタイミングの日比谷で「地元のダンナ」。くぅ~、ありがとうございます。ギャーとかヒューとかやけに奇声を上げていて序盤からそんなでちょっと心配になったが、結果的に全く問題なかった。
“素直に、と思っていて、…そんな歌です。”で、「四月の風」。間奏のギターにジーンときた。昨日は映画館で見ていたけど、昨日も今日もうまく言葉が出てこないようだった。そんな日もある。割とある。鈴虫の音色が残響と重なって増幅していたのはよほど湿度が高いからだろう。白シャツは早々にシースルーになっていた。愛用の白シャツが製造中止になり、ストックは20枚くらいあるけど、あんまり破けなくなっちゃったと言っていた。
“俺と同じで人生は毎日繰り返し。悲しみの果てには楽しいことがある”病に悩まされているときの、頭をかきむしる姿を勝手に想像してしまう。でも今日はこうして以前にも増して生き生きとしたステージを作り上げてくれる。
“歌詞が大好きで、きっとみんなもこんな感じかなと思って”「大地にシンフォニー」。最後まで驚くほど瑞々しく、また力強い声で歌う。湿度もあるけどやはりタバコは一日3本で維持してもらいたいなと。ところで宮本さんの声の周波数帯域を専門的に調べてオペラ歌手と比較してほしいと思うのは私だけだろうか。まあ何しろ今日は演奏をも凌ぐ声量だった。
これいいなあと思った新曲の「めんどくせえ(仮)」。自分の話で恐縮ですが、口癖のように“めんどくさい”を言ってしまい、せめて今後は“めんどくせえ”を連呼するこの曲を歌おうと思う。それこそめんどくせえっていう。“空を見てー 鼻がキュキュッとなってー”ってのはなんだろう?
1stアルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』より立て続けに「ゴクロウサン」「星の砂」。からの、昨年リリースされた「涙を流す男」。今も25年前も、潔く旬を切り取ってありのままを表現し続けているからこそ、制作時期を隔てた楽曲群をライブで並べたとしてもこうまで同調しきっているのだろうと思う。エレファントカシマシの曲が普遍であることの証のように感じられた。
次なる新曲は、本人の言う通り弾き語りで“ボヤいて”いた。ドキュメンタリー映画の最後に流れていた曲だったかな…? “はてさて〜この俺は、かれこれ〜何十年、ときには適当に、ときには気合い入れて、どうでもいい仕事とか憧れの何かを追い求め〜〜うんぬんかんぬん〜〜金持ちでもないしちっとも偉くなってない〜〜飛んでっちまいたーい〜〜”とのことだった。
“子供の頃はヒーローになりたかった”で、「なぜだか、俺は祷ってゐた」。
“2週間くらい耳が聞こえなくなっちゃって、自分で恥ずかしいくらいです。今はなおっちゃって恥ずかしくて言いたくないくらい。みんなにたくさんたくさんありがとう。みんなもやっぱり生きてるから共感してくれる”みたいなことを言っていた。
「シグナル」が沁みた。すっかり日も落ちて青い月が見える。客席を指差し“心に花咲かせる人であれ”と歌う。
“遊びでも何でも疲れきって寝転がって空を見ると、空を飛びたいなって思うよね”と言われたが、疲れきっているときはとりあえず眠りたいと思う。そこの違いか。
“俺はもう楽しいことなんてないんじゃないか”という曲で、新曲。「人生の午後に」とか「ネバーエンディングストーリー」っぽかったかな? CDでじっくり聴きたい。
さらに、“新曲やるんでちょっと”と言って、びしょびしょの白シャツから再び白シャツに着替える。ローディーさんに手伝ってもらってやけに時間をかけて身なりを整えているのを見るとPVでも撮るのだろうかと思ってしまった。“丁寧に丁寧に詩を作ってきたんで、ぜひ詩を聴いてください。「貴方へ(仮)」という曲を聴いてください”なんとなく懐かしいようなバラードだった。肝心の詩をほとんど覚えてないけど、人を愛するということは自分も愛するということで、何かは何かに繋がっていて同じものであったり、絶え間なく影響しあっている、というようなことを思った。
『STARTING OVER』から「さよならパーティー」と「笑顔の未来へ」。後半のテンポアップがそろそろ本編終了に向かっていると思わせる。
「ズレてる方がいい」。ああ、去年は表で聴いていたなあと思い出す。
「俺たちの明日」は、いままで聴いた中で最高の“さあ、がんばろうぜ!”だった。元気をもらった。

アンコール。あと何回月を見ながら生の「今宵の月のように」を聴くことが出来るんだろうと思った。今日は少し朧げな月の下で聴いた。
“イエーーーイ!”という呼びかけに“イエーーーイ!”と返して「コール アンド レスポンス」。ここにきて俄然輝きを放つステージ、その流れで「ガストロンジャー」。待ちわびた瞬間、こみ上げる想いを発散させるように拳を突き上げ、叫ぶ。“キリスト教の聖書にも載っててさあ、6年掛けてまだ半分しか読めてないんだけど、孔子の「論語」にも“思いやりが大事だ”と書いてあって、俺は感心したね。自由に行こうぜー!胸を張ってそう!”
“なんか元気になってきた!お互い様だエブリバディ!お前がファイティングマンだ!”

2回目のアンコールはTシャツで、“なんか恥ずかしい。これしかなかった”と。昨日が「so many people」→「ガストロンジャー」で、今日が「コール アンド レスポンス」→「ガストロンジャー」。ということは、最後は昨日と同じ「花男」ではなくて「待つ男」に変えてくるだろうと瞬間的に予測してしまった。いつものように残りの全部を出し切るかのような「待つ男」。“富士に太陽ちゃんとある”を地でいく気らしい。

いつもならマイクをゴッっと落として投げキッスして去っていくのに、今日はゴッという音に反応して“アッ”となっていた。イヤーモニターなるものを付けているからだろうか。

発表された数々の新曲に期待しつつも、やはりエレファントカシマシのライブは唯一無二で、最新のライブが常にMASTERPEACEだということを、改めて感じられた日比谷野音だった。

No.曲名回数
1平成理想主義3回目
2地元のダンナ7回目
3四月の風7回目
4悲しみの果て41回目
5東京からまんまで宇宙9回目
6大地のシンフォニー8回目
7めんどくせい2回目
8ゴクロウサン4回目
9星の砂10回目
10涙を流す男2回目
11はてさてこの俺は2回目
12 なぜだか、俺は祷ってゐた。初!!
13風に吹かれて15回目
14シグナル9回目
15なからん2回目
16明日への記憶17回目
17あなたへ2回目
18さよならパーティー19回目
19笑顔の未来へ28回目
20ズレてる方がいい2回目
21俺たちの明日33回目
22今宵の月のように29回目
23武蔵野6回目
24コール アンド レスポンス4回目
25ガストロンジャー34回目
26ファイティングマン33回目
27待つ男9回目


持帰り用体験回数(コピーしてご利用下さい)


持帰り用セットリスト(コピーしてご利用下さい)

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