10月4日は週間予報は晴れだったが当日は曇り空。
いつもの野音とは異なりコロナ感染防止のための時差入場で入場列はまばらな人、さらにいわゆる「外聞」禁止のため、野音周辺も人だかりもない静かな日比谷公園内。
中に入ると例年エントランスを飾る華麗な祝い花も今年は無く、ただ淡々と入場チェックとアルコール消毒を済ませて席に向かう。
座席は1席おきに座る様、間引かれていた。
スタッフも観客も皆がマスク姿で、恒例のエレカシ野音も「コロナ禍」では例外ではないと実感する。
開演までの待ち時間は客数の少なさもあり話し声はなく、場内に響く音楽に秋の虫の声が効果音の様に重なっていた。
17時になり、SEがフェイドアウトしメンバーが登場。
1曲目は、これぞエレカシ野音を象徴するがの如き「夢のちまた」で始まったが、この晴天ではない秋の空に似つかう選曲だ。
「Dead or Alive」「Easy Go」と駆け抜け4曲目に「地元のダンナ」。
その序奏はプログレ調の編成で、印象的なベースラインとキーボードで始まり、『エレファントカシマシ』のバンドとしての貫禄を感じた。
「晩秋の一夜」は序盤ヴォーカルマイクの音量調整での数度のやり直しがあったものの、曲が進むにつれ、小説を読んでいる様な情緒あふれる唄に固唾をのんだ。
生憎の曇空だったが11曲目の「月の夜」は伸びやかな宮本氏の声が空高く抜け、思わず空を見上げて月を探す。
その後の「武蔵野」では宮本氏のギターにサポートギターの佐々木氏のソロが続きブリットポップさながらのアレンジが心地よい。
また「男は行く」がこれほどブルースだった事はかつて感じえなかったが、レッドツェッペリンに影響を受けた原点回帰の一曲は”50代の今“だからこその渋味が要因だろう。
圧倒される演奏とパフォーマンスであっという間に時間が過ぎ、アンコールの「待つ男」まで軽く2時間半を超えているのにも気づかずにいたが、この「コロナ禍」で半年近い期間、ライブに行く事がなかった(いやライブのない期間か)ため、枯渇した身体にたっぷりと音楽のシャワーを与えてもらった「時」となった。
余談だが、昨日エドワード・ヴァンヘイレンの65歳死去の悲報があった。
人の生命は永遠ではなく、また音楽を楽しむ時間にも終わりがある。
残された時間、出来うる限り人生の最後まで音楽で繋がっていたいと痛感した。
No. | 曲名 | 回数 |
---|---|---|
1 | 夢のちまた | 4回目 |
2 | DEAD OR ALIVE | 2回目 |
3 | Easy Go | 8回目 |
4 | 地元のダンナ | 9回目 |
5 | デーデ | 31回目 |
6 | 星の砂 | 20回目 |
7 | 何も無き一夜 | 2回目 |
8 | 無事なる男 | 2回目 |
9 | 珍奇男 | 27回目 |
10 | 晩秋の一夜 | 2回目 |
11 | 月の夜 | 8回目 |
12 | 武蔵野 | 10回目 |
13 | パワー・イン・ザ・ワールド | 8回目 |
14 | 悲しみの果て | 68回目 |
15 | RAINBOW | 22回目 |
16 | ガストロンジャー | 58回目 |
17 | ズレてる方がいい | 30回目 |
18 | 俺たちの明日 | 41回目 |
19 | ハナウタ~遠い昔からの物語~ | 22回目 |
20 | 今宵の月のように | 50回目 |
21 | 友達がいるのさ | 17回目 |
22 | かけだす男 | 5回目 |
23 | so many people | 24回目 |
24 | 男は行く | 13回目 |
25 | ファイティングマン | 65回目 |
26 | 星の降るような夜に | 5回目 |
27 | 風に吹かれて | 31回目 |
28 | 待つ男 | 21回目 |
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