エレファントカシマシDB 2012/10/14(日) 日比谷野外大音楽堂 ラスさんのライブレポート

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ラスさん

2日の突然の宮本さんの病気・ライブ活動中止ニュースに愕然としてから、一週間後の10日まさかの野音で少し歌わせて下さいの発表。そして野音グッズ販売発表。14日までめまぐるしく飛び込んでくる情報に翻弄されつつ当日を迎えた。心配と期待がぐちゃぐちゃで混乱したまま。
ドラムやキーボード等リハの音が聞こえてくる。そこに宮本さんの声が!片耳が聞こえにくいとなると音程が不安なのではと思ったが、聞く限り普通で本当に歌うんだと驚いた。いつもよりは短めのリハ、本編でやらなかった優しい川とか歌っていた。
入場が始まっても中に入らない人の多さ。多くの人が外聞きで集まっていた。
17時開演。宮本さんが一人ですたすた歩いて入ってくる。ニコッと若干照れくさそうな満面の笑顔!アコギを手に椅子に座る。いつもの背もたれに腰かけ足を座席部分に両足乗せる。バランス感覚は大丈夫なのかと心配したが杞憂だった。「どうもありがとうございます」と一言。
開演前に「何の説明も無く『じゃっ聞いてください』で始まったりしてね。」と友人と話していたらまさしくその通りだったので吹き出してしまった。まずは歌を、宮本さんらしい。
左足を床に下ろし右足は椅子を跨いだいつもの格好で歌い始める。
【夢のちまた】ゆっくりとアコギの音が響き、会場内・外がその一音一音に集中する。ちょっとおそるおそるだったかな。目を瞑り高音は声を張り上げずファルセットで優しく歌っていた。それがしみじみとした情緒を感じさせる。「明日もたぶん生きてるだろう」右往左往していたこの数日、この歌詞がずばりと入ってきた。
[MC]病状の説明をし始める。「ビックリさせて、ガッカリさせて、心配かけて、本当にごめんなさい」長く経緯を丁寧に説明してくれた。が、途中「長いね話」「フォークのコンサートみたいw」と止めちゃう素振りや「元々すっげー耳鳴りしてんだよ・・・こんな普通に話ていいのかな?」「寒くない!?今!」いつもの調子で話す宮本さんにほっとした。その様子に観客の徐々に緊張が解けていく。宮本さんがこの日を迎えるにあたって悩み苦しんだのは想像に難くないのに、本当に申し訳ない、この通り大丈夫だから、身体は元気だから、と冗談も交えて語る様子に、そうだったこういう人だったと胸がいっぱいになった。
【悲しみの果て】いつもなら「部屋を飾ろーーーう」「コーヒーを飲もーーーう」と張り上げる部分も抑え目。ギター間違えつつ。あんなに美しい、美しい悲しみの果て。短い。悲しみの果てにあるものを宮本さんは見たのだろうか。そのまま約束へ。
【約束】・・・この流れは参った。宮本さんから流れてくる歌声は生々しく生命力に溢れていて心の中にするする入ってきて奥底が温かくなっていく。なんて歌に力がある人だろう。ツアーでも素晴らしいと思っていたけれど、今日のこの感じは言葉のひとつひとつに込められている魂に触れられた気がした。
[MC]再び経緯を説明。「4月にマラソン始める、7月にタバコを止める」の部分でえええっと観客から驚きの声。タバコ止めることを考えると泣けてきちゃうって言ってた人が・・・。「良い事があって、声が良くなりました」とニヤリ。どおりで凄い声、納得。
【リッスントゥザミュージック】「僕の友達を」蔦谷さんとヒラマさんが入ってきて3人で。蔦谷さんのキーボードが美しく、宮本さんの歌声と共にひんやりとした夜空に響く。ヒラマさんギターやはり音は抑え目。口笛も高音も良く出てた。後半盛り上がる部分もさらりと。
[MC]手術終わって先生に「腰が痛いんですけど」「ありえない!」「足が痺れるんですけど」「絶対ない!」宮本さんいつもの先生のモノマネに客席から笑いがw 
「今回止めようと思って、本当にごめん、でも野音二十何年やってるとかじゃなくて・・・やって良かったと思います」「歌うと元気そうでしょ、元気になるんですよ」この部分が聞けて良かった。宮本さんに必要な元気の素。ああこの人を支えているのはやっぱり歌なんだ。一曲ごとに声が段々力強くなっていくのを目の当たりにして確信する。
【月の夜】ファルセットでやわらかく、まさしく月の光に包まれるような歌声。思わず溜息が漏れる。最後の「包みたまえーーーー」は見事に歌い上げ、ぶるりと全身が震えた。
終了後すぐ雨がサアッと降ってくる。観客一斉にガサゴソとカッパやタオルを出し始め、その様子に宮本さん「雨降ってきちゃった!?」「どうしよう?」ステージ前方に出てきて雨を確認。丹下さんと何か話した後「もうちょっとやっていいでしゅかか」と最後カミカミで(笑)良いに決まってます!「後で古い友達も出てくるけど」に歓声!
【うつらうつら】こうして聞いているといつも通りの野音コンサート開催しているように思える。お見事。かき鳴らすアコギ、ギリギリ遅らせタメ気味で歌う。これぞ野音という風情。
【見果てぬ夢】余韻そのままに、「人の~思いは~十人十色~」うわっなんだっけ、この曲なんだっけと必死に思い出したこの曲。初聴き!すぐに終わったのでショートバージョンだったと思う。
【涙を流す男】聴いたことのないフレーズ!おおっ新曲だ!本当はバンドでお披露目したかったんじゃないかなあ。これもすぐに終わった。男らしく力強い曲だった印象。フルで聴ける日を楽しみに待っています。
【花男】!!!まさかやるとは思わなかった!花男!!!アコギバージョン!!!一番驚いた。ギタージャカジャカ鳴らし、宮本さんの目がギラリと光った。鋼の声に力が宿る。おもわず背筋が伸びる。口がカラカラに渇く。・・・本当にとんでもない。終了して立ち上がるがよろりとよろめく姿にヒヤリ。
【俺たちの明日】何度も何度も聴いた曲だけど、私が今まで聴いて来た中で今日が一番素晴らしかった。「負けるなよ」ってあなたに言われたらもう立ち向かうしかない。最後の「がんばろうぜ」に込めれた想い、しかと受け止めました。終わって「自分で言うのもなんだけど、いい曲なんだよ」って言ってたけど本当にそう思う。
【笑顔の未来へ】蔦谷さんとヒラマさん再び登場。やはり音は抑えてる。「涙のテロリストは手に負えない」ってそれはあなたですよ!「どんな悲しみからもすぐに立ち上がるのさ」実はこの部分胡散臭いなあって思っていた時期があった。でもその通りだった。都合よく出来ているのは私も同じで。いつも以上にキラキラした笑顔の未来へだった。声を張り上げて伸びやかな歌声。もう不安な気持ちが消えていたことに気が付く。「歌を、歌えて良かった」ボソッとこの一言に今日が宮本さんにとって重要な一日だったことを痛感した。
終了して、古い友達が出てくる。石君小走りの様子がコミカル(笑)メンバー紹介で「あなたも野音に立てて良かったですね」と石君にマイク向けると石君「ありがとうございます」宮本さん腕をつかんで上げさせてるいつもの光景に笑いが起こる。
[MC]「爆音が怖くて慣れるまでしばらくライブはお休みせざるをえないですが、絶対戻って参りましたんで」戻って参りますが参りましたになっていて、活動休止のニュースに心臓が止まるかと思った気持ちを吹っ飛ばしてくれた。
【ズレてる方がいい】トミのカウントで始まる。宮本さんハンドマイクで立ち上がって歌う。ゆっくり、確認するようにトミと呼吸を合わせるように。トミもキリリとした表情で宮本さんに集中。エレファントカシマシの演奏だ!左耳に手を当てて噛み締めながら歌い上げる。思わず見ているこっちも力が入る。マイクをスタンドに戻しアコギを抱えるが、マイクがちゃんと固定されずズリ下がってしまい、ラストのフレーズが一瞬無音になるもアコギをジャンッと鳴らし「ズレてる方がいい」とキッチリ歌って終了。「ありがとうございました。また会おう」両手で投げキッスして去って行った。拍手と大歓声が会場いっぱいに包まれる。
アンコールは無いだろうと思っていたけれど客電がつかないしどうするべきかと思っていたら終了のアナウンスが。直後に大きくなる拍手。野音を開催してくれてありがとう。直接伝えてくれてありがとう。この思いを両手いっぱい拍手に込めた。
18時少し前に終了。

エレファントカシマシと同じ時代に生まれてきて良かった。それだけでもう幸せだ。

No.曲名回数
1夢のちまた3回目
2悲しみの果て67回目
3約束9回目
4リッスントゥザミュージック13回目
5月の夜2回目
6うつらうつら2回目
7 見果てぬ夢初!!
8 涙を流す男初!!
9花男12回目
10俺たちの明日46回目
11笑顔の未来へ33回目
12 ズレてる方がいい初!!


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