エレファントカシマシDB 管理人の日記 2008/08/07(木)

一番下へ

『敗北と死に至る道が生活』その1772
技術評論社という出版社は良い本しか出さない。と我々システムエンジニア仲間では語られている。コンピュータ系の本が多い。コンピューターか。最近マイクロソフトが「コンピュータ」を「コンピューター」と改めた。3文字以上の単語の語尾は伸ばさない。的な妙な制約を取っ払った。昔のマニュアルだと「プリンタ」と表記されていることだろう。これも「プリンター」になった。口語表現と一致させた。理由は定かではないが短くしたのは、ハードディスクが高価だった頃、バイト数をかせぐためだと思う。思いつきだが。

話はそんなことではない。数年前に買っていまだに眺めている本がある。技術評論社の「『東京』の凸凹地図」。赤と青のメガネがついていて写真を見ると、トンボの気分になれる。東京の地形が立体で浮かび上がってくる。

ビルを邪魔者と見るかどうかは気分しだい。ビルがなければ純粋に土地の起伏が把握出来るのだが、ビルも立体に見えてそれはそれで面白い。東京タワーを上から立体として眺めている。紙を触ったら痛そうなくらい浮かび上がってくる。

日照権の関係だろう。高いビルは幹線道路を沿うように建てられている。ただ歩いていてはなかなか気がつかない。「『東京』の凸凹地図」のおかげだ。道路が日陰になろうと苦情を言う人はいない。東京の都心部でもかなり起伏が激しいことが分かる。土地の成り立ちを解説してくれている。

JR京浜東北線ではっきり分かれる武蔵野台地。ここが「山の手」と「下町」の境目だ。下町の更に西へ行くと江戸川区・江東区があるが、そこはお台場よりも低いらしい。つまり海面より下。荒川の方が住宅街より高い。考えてみたら怖い土地だ。昨年の台風でのニューオーリンズの被害もそんな地形だった。

「四谷」「雑司が谷」「茗荷谷」「市谷」「池袋」「沼袋」など水系の町名は低いところにある。渋谷の地下鉄銀座線は駅ビルの3階から出入りする。渋谷駅前は予想以上に低い。だからそれまで地下を通ってきた電車が渋谷近辺でいきなり地上に出てしまう。線路の高さは一定で、土地が低くなったから相対的に線路が高い位置になってしまう。道玄坂。スペイン坂と坂が多いのはこのせいだ。西武のA館とB館が地下でつなげないのは間に川があるからだ。宇田川と言って春の小川のモデル。めだかがいたのだな。

チグリス・ユーフラテス・ナイル川。人類の進化と同様に人は川沿いに生活する。水辺はなにかと便利だからだ。生活水。運搬。人は川沿いに集まりやすい。川という指標があるため道が作りやすい。川と平行に左右に道が出来て自然に家が立ち並ぶ。それが現在の商店街として発展してゆく。戸越銀座なんかもろに川だ。原宿の竹下通りも川。東京の細い川はことごとく暗渠化してしまった。商店街というのはうっすら音楽がかかっていたりする。戸越銀座に引っ越そうと思って調べたのだ。あんな音楽が一日中かかっている場所には住めない。あの音楽いるか?

私が住んでいる初台は名前の通り台地になっている。初台やら西新宿は岩盤が丈夫だ。だから高層ビルが林立している。うちから見える風景は「町を見下ろす丘」から眺めたものだ。新宿から六本木、銀座、お台場方面を眺めるのだが、手前に明治神宮及び代々木公園という緑地があるため、手前が真っ暗で遠くに夜景がある。手前の暗さが海のようでマンハッタンの夜景を海から眺めているような雰囲気になる。夏には神宮球場の花火大会。遠くにはお台場の花火大会も見える。富士山は逆側だから見えないが。

で、この高台にあるうちのマンションの直ぐ下が玉川上水。これも暗渠化してしまって新宿南口から明大前あたりまで細長い公園になっている。高台に川?玉川上水というのは人口の川だから多摩川から四谷まで低いところを通さずに高い尾根にそって大切に運ばれた。一度でも低い場所に流すと四谷まで流れないのだ。江戸時代の土木技術は素晴らしい。四谷からは地下に樋を通したというから地上の川よりも凄い技術だ。新宿歴史館に当時の樋が展示してある。木だ。手入れが大変だったろう。

御茶ノ水あたりの神田川の謎。谷頭侵食といって、川が別の川に乗っ取られる現象など、語りだすとキリがない。日暮里の「夕焼けだんだん」に行けば、曇っていようがビルで見えなかろうが、江戸時代の夕焼けに浮かぶ富士山はこんなだったろう。振り向けば海が見えたかもしれない。と、想像してしまう。俺はただ頭の中イメージの中笑うだけ 遠いマボロシ。

Google ロケーションで遊ぶか。散歩しろよ。てか日記なげぇよ。

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