『敗北と死に至る道が生活』その167
(音)聴けば聴くほど素晴らしいぞ『(CD)DEAD OR ALIVE』は。歌詞。曲。編曲。構成。全て良すぎる。プロデューサーなんか要らないじゃないか。100点満点中1000点さしあげたい。更に倍。これが売れないとなれば日本人がどうかしているに違いない。つうか聴く機会が無いか。一般大衆が。あぁもどかしい。そうかといって東京ドームが一杯になる程売れても癪に障るんだけども。『地獄の季節/ランボオ』なんかは格好いい言葉を並べてはいるが、意味がよくわからない。『詩』とはそういうものが多い。作者さえも分っていないんじゃないかと思わせるような難解な詩を、分ったようなフリをしている輩が沢山いる。
『いずれ堕ちてゆく瞬間に歌でもどうだい』
『素直であるとは戦わぬことなのか?』
『自ら堕ちてゆく我が身を見る好条件』
『破滅へ向かって力強く歩む』
詩人宮本。
私は歌の歌詞なんかどうだっていいとさえ思っている。下手にメッセージを伝えて(COOL)寒い歌詞を聞かされるぐらいだったら意味などない方がよっぽどマシだ。『君だけを(HEART)愛す』なんて甲高い声で歌いながらも、無名時代から支えられた妻と離婚し、すっとぼけたタレントと再婚するような奴等の歌が信じられるだろうか。
例えばレピッシュやユニコーンや井上陽水的にぶつ切りの歌詞を並べて意味を敢えて不明にし、歌をリズム楽器のようにしてしまうのもひとつの手だ。エレファントカシマシでも『(朝)good morning』に何曲か見られる。
しかしこの手法は正攻法ではないのは本人達も十分承知で、それはそれで(OK)OKなのだが、やっぱり『どーん』と勝負するには『詩がきちんと書ける』というのは重要である。
『DEAD OR ALIVE』に収められた5曲。そこには背伸びをしないありのままの男宮本浩次36歳がいる。『死』というものを意識しつつも、現実には『生活』がある訳で、人生は『(パ)戦う』にしても、普段の日常でそんなことしてたら疲れてしまう訳で、『(本)本でも読んだり』『(TV)テレビでも見たり』『(ゲ)コンピューターゲームでもしたり』『(食)メシをかきこんだり』する。そうしつつ死への誘いは免れないから『(音)歌でもどうだい』ときた。まいった。『格好いい』なんて言う一言では済まされない勢いで言葉が私を圧倒する。
私はこの時代に我々と共に『エレファントカシマシ』というバンドが存在することに、ただただ(喜)喜びを感じている。も一回聴いて寝るか。