『敗北と死に至る道が生活』その368
私の嫌いな言葉『和気藹々(わきあいあい)』。ただし実際に雰囲気として結果的に和気藹々になってしまったとしたらそれはそれで許す。要するに他人が和気藹々としている状態が非常にいやだ。見たくない。取り残されている気がする。かと言って誘われたら断るのだが。だから『何とかゲーム』とか言って盛り上がっている状態が一番嫌いだ。そんなものが始まったら私はトイレに行くフリをして帰る。私が芸人だとしたら多分藤井隆のようなノリはそれはそれで出来る。自信がある。笑かす自信はある。藤井隆と共演したら妙な踊りだって踊ってしまう。キメのポーズも藤井隆以上にキメてみせる。自信がある。でもやらない。それは私がサラリーマンだからだし、原宿なんかも気軽に歩けなくなってしまったら大好きな散歩もロクに出来なくなる。それ以前におっさんだからでもあるし、おっさんが浮かれていたらバカに見えるからだ。
だから普段は無口で感情を表に出さないでいる。どちらにせよ生きるとは疲れるからみな孤独になる。生きる場所を探しているのか死に場所を探しているのか、恐らくそんなことすら考えずに漠然と時が過ぎているだけだ。バカに見られたくなかったら黙っていることと、携帯に妙なストラップを付けないことだ。