『津軽』その809
『昭和枯れすすき』さんのライブレポートを見て昔のエレカシをかいま見た気がする。面白いレポートありがとうございます。来年から真面目に津軽三味線を毎日弾こうと思う。今からでないところがだめなところだ。津軽三味線にはディストーションがついている。と聞いたら誰もが『そんなあほな』と思うだろう。
そもそも『ディストーション』を知らない人がいるかもしれない。『ディストーション』とは主にエレキギターの効果のことで音を歪ませてワイルド感を出すためのものだ。エレキギターが出現した当時は綺麗な音が忠実に出ればそれでよかったが、ロックは汚い音を求め始めた。
そこでスピーカーのコーン紙にカッターで傷をつけたのがそもそものディストーションである。(そんなに言い切っていいのだろうか。思いつきで書いている。)これを電気的に表現させる装置をディストーションという。ギタリストが使いたいときに足で踏んでON/OFFを切り替えたりする。私なんか古い人間だからアキバで部品買ってきて自作したこともある。
昔は効果させる音ごとに機械をつなげていたが、今はほとんどの音が出せるマルチエフェクターが多い。何故かうちにもある。
話を戻すと津軽三味線のネックの部分に”弦”の下から(師匠には”糸”と言わないと怒られる)突起物が出るようになっていて、”糸”に軽く触れるように調整するのだ。すると『ポローン』という音が『ベーン』という割れた音に変わる。
多分普通の三味線にはついていないと思う、津軽独特の仕様だ。津軽三味線は弦打楽器であり、バチさばき(右手)の方が重要な役割をはたしている。左手なんかは単音なので簡単だ。Fの音が出ないなどということもない。そもそも和音を奏でる楽器ではない。和楽器のくせに。