『忙しくて鼻血な生活』その838
スカパーに『サイエンスチャンネル』というのがあって、しかも無料だ。私は最近地上波のくだらない勢いについていかず、これを見ている。NHK教育のもっとマニアックな放送をしている。例えば『跳び箱の作り方』というの見た。たまーに『タモリ倶楽部』がこういうことをしているが、『サイエンスチャンネル』は真面目に『跳び箱の作り方』を放送している。庶民には何の役にも立たない。これこそ真のトリビアだ。
跳び箱職人は素手で木材を操る。カンナをかけている。道具がいいから一発できれいにいく。私たちは道具の手入れが不十分だから手を傷つけるのだなと思った。
跳び箱は一度にひとつ作るのではない。複数個を一度に作る。その方が効率がいいからだ。例えばクギを打つならクギを打つ箇所を複数個並べて一度にやってしまう。例えば10個の跳び箱を作る場合、一度にひとつ作る場合はかなづちを持つ回数が10回だが、複数個並べた場合100個でも1回ですむ。
しかし、キャノンは数年前からベルト方式の生産をやめ、一人一台作る方式に切り替えた。これの方が効率があがったという。しかし、絶対『工程毎』の方が効率がいい筈だ。工場での問題点は個人でなく組織で作っていることだ。跳び箱の場合全部一人でやっている。『組織』というものはどこかにスキが出来る。私が頑張ってもあいつがノロマだから効率があがらない。だったら私もあいつに合わせよう。とする。最低限のほうにシフトしてしまう。