『反省の日々生活』その1349
何にも知らねぇんだ俺は。と開き直ることが出来なかった高校生まで。いや最近までかもしれない。エレカシに出会うまでかもしれない。
私の家は外食にもほとんどいかず、家族全体がさほど社交的ではなかった。家の中はぬるーい空気が流れていて、それはそれで子供としては暮らしやすかったのだろう。漫画にもさほど興味を示さず、(読むといえば4コマ漫画だった)、ピンポンパンやロンパールームよりもカリキュラマシーンを好んで見ている子供だった。ウルトラマンよりウルトラQの方が好きだ。ドラゴンボールの話をされてもさっぱりわからない。
アメンボウの匂いをかいでみたり(事実アメの匂いがした)、アリの巣をどこまでも掘り壊してみたり(卵がいっぱい出てきた)、カタツムリを30匹ほどセロテープに貼り付けて道路に置いて車にひかせてみたり(全部つぶされたときの達成感があった)、カエルのケツにストローさして吸い込んでみたり(普通吹くだろう)。
そんなものだから、他人と話すことが苦手だった。『何か話さなければ』『きまずい空気をなんとかしなければ』『かと言って語れるほどの趣味も知識も無い』などと心の冷や汗をかきながらなんとか一人になることばかり考えていた。
それが今ではどうだろう。語れるほどの趣味も知識もあり、バイクで日本一周したときの話など、他人にそんなことを語ったとしても意味がない。貴様なんかにどうして俺が話しかけねばならぬのだ、と開き直る態度もあからさま。
結果、他人が見れば子供の頃から今までずーっと他人と協調できない姿に代わりは無い。しかし心の冷や汗は全くかかなくなった。徹底的に黙っていることで、気が楽になった。相手が私のことをどう思おうが一切関知しない。むしろ相手の方が私の威圧的なオーラに冷や汗をかいている。バカがいなけりゃ私だってそこそこ明るく振る舞いたい気持ちはある。