『毎年のことだが生活』その1508
『青春時代』も『サムライ』も阿久悠さんの作詞だ。昭和の歌謡曲は歌詞がはっきりしていて今でも口ずさめる。すごい仕事を成し遂げて逝ってしまったのだな。遅まきながらご冥福をお祈りします。一方、『コアラ改めなんとか』という人はいつまでも今の名前が分からない。『元プリ』はいつまでも『元プリ』と言われるが、名前を消し去ってしまったので『コアラ改めなんとか』とは訳が違う。そんなことはどうでもいいが、この時期に合わせてという訳でもないが、井伏鱒二『黒い雨』を読んでいる。
あのきのこ雲の下での出来事。あの雲の下の人は当然『きのこ雲』を見ていない。そう書いてあって愕然とした。言われて見れば当たり前だが、下に居た人は灰色の雲がかかって黒い雨が降ってきたそうだ。私はいかに現実を直視していなかったか気づかされた。知っているフリをしていた。広島城はその形のまま数十メートル飛ばされてしばらく立っていたそうだ。
週末にはフジテレビで『はだしのゲン』をやる。武力というものはやはりダメだと思う。国連が平和を維持するためには武力も必要としているが。しかしどの時代でもどの場所でも平和を壊す未熟者が居る限り武力は正義を振りかざすことだろう。
開戦に最後まで反対した山本五十六の真珠湾作戦からはじまったあの戦争の結末が原爆、玉砕。なぜこの優しいと思える民族がここまで果敢に戦ったのだろう。国に矛先を変えられて天皇を守るため。実際は家族を守るため。優しさを利用されてしまったのかもしれない。
今が普通であることに感謝し、『枯れ木に花咲くに驚くより生木に花咲くに驚け』という三浦梅園のお言葉を思い出した。