『敗北と死に至る道が生活』その1764
態度と言葉はリンクしている。電話の前で頭を下げている人を見た。相手には見えないのだからやらなくても良いのだが、だからと言ってふんぞり返って「申し訳ありません」とは言いにくい。
一度やってみるがいい。椅子に座りふんぞり返って足を机に放り出し「申し訳ありません」と言う。3回ほどやってみるがいい。ワイングラスがあれば揺らしたまえ。ガウンがあるなら風呂に入りたまえ。猫がいるならはべらせたまえ。で、「申し訳ありません」。あまりにも不謹慎なので笑いがこみ上げてくる程だ。では、逆はどうだろうか。頭を下げながら怒鳴り散らす。
一度やってみるがいい。起立して頭を下げながら「なんだバカヤロー。責任者呼んで来い!」。きっちり七三分けで「なんだバカヤロー。責任者呼んで来い!」3回ほどやってみるがいい。「私が責任者です」と言われても気がつかないくらい頭を下げて。姿勢が正しければ正しいほどやりにくい。
竹中直人の笑いながら怒る人は相当難しい芸だったんだなぁ。