『敗北と死に至る道が生活』その2546
温かい歌が心にしみて、冷たいものが歯にしみた。実際には歯と歯茎の境目にしみるのだろう。システマをさぼっていたせいだ。しみる箇所に細い毛先をグリグリ押し込みながら小刻みに動かす。血が出てくる。それでも数分間動かす。私はこの少々痛みを伴う作業が嫌いではない。これを数日間繰り返したら出血もおさまりしみなくなった。歯磨きは丁寧にやらないとバチがあたる。歯医者の定期健診に行くと、「いつも丁寧に磨けてます」と言われて以来、ちゃんとした状態でないと歯医者に行きづらくなってしまったのだ。ちゃんとした状態なら歯医者に行く必要などないのだが。馬鹿高い国民健康保険を払っていて病気をしないので歯医者くらいは定期的に行かないと損した気分だ。
嫁が美容院に行くには髪型をちゃんとしてから行かないとなめられる。と言っていたのを笑ったが翻って己自身に鑑みれば同じことをやっている。