『敗北と死に至る道が生活』その3714
あなたは自分の両親にアドバイスするだろうか。「ああしたほうがいい」とか「こうした方が便利だ」とか。多分していると思う。時代は変わりゆくのだし、陽炎に町が揺らいだり、風も唄う。それは恐らく親がまだ若く、こっちも何かを期待しているからだ。私と母の年齢になると、もはやアドバイスなどしない。今更「ああしたほうがいい」とか「こうした方が便利だ」とか言われても困惑するだけだ。それを聞き入れる能力があるのなら、長年生きてきて既にそうしているだろうし。うちの母はバカみたいに小銭を持ち歩く。何十枚という1円玉。何十枚という5円玉。何十枚という10円玉。何十枚という100円玉。さすがに500円ま2枚程度だが。私から言わせれば小銭のMaxは999円だ。それ以上あったら支払い方が悪い。
一度レジの支払いを叱ったことがある。レジの人がピッピッとやっている間もボーっと突っ立ってるだけだったからだ。いつも聞かれる「Tカードはお持ちですか」に対してTカードを用意したり、せめて9円は予め準備しておいたりという行動を全くしない。レジを待ってる間にそういうことをしておけと言った。が、今でも何もしようとしない。母が新入社員じゃなくて良かった。
一方で90歳の心境を今欲しい。