『敗北と死に至る道が生活』その4377
姉貴が買ってくれた一冊の本。これが今の私の生きる道筋を与えてくれた。専門学校で強制的に買わされた関数電卓。それは確かカシオだったと思う。軽いベーシック言語が搭載されていて、行番号と命令を打ち込むと結果を表示してくれる。その頃社会人に成り立てだった姉がこの関数電卓のゲームプログラミングの本を買ってくれた。たぶん私が欲しいと言ったからだ。
1文字でも間違いがあると動かなかったり、書いてある通りのコードを打ち込んで正常に動作したときの喜び。数字を書き換えたらゲームの難易度が上がったり下がったりした。専門学校卒業で勢いで家電業界に飛び込んだものの暑い季節に他人ん家のエアコンをつけたり、ヤクザの事務所に掃除機を納品に行ったら掃除させられたり、組長のデスクに乗っかって蛍光灯を取り替えたりスリリングな日々を送るのにも疲れ、IT業界に飛び込んで、現在につながっている。
一冊の本が人生を変えることもある。選択肢を暹択するのは自分でありたい。
チロルチョコは買いません。