『敗北と死に至る道が生活』その4808
実家のタッパーは恐ろしい。恐らく現代人のあなたは例えばビニール袋に入った白菜漬けなどを購入し、タッパーに入れ替える。それを食べるときはどうやって食べるだろうか。家ではそれ用の箸を用意して、タッパーから小皿や、なんならご飯の上に置く。口をつけた箸をタッパーインしないのが普通だろう。なんだタッパーインて。で、実家に帰ったとき同様の場面で母は何の躊躇いもなく直箸で白菜をつまむ。なんなら舐めた箸で再度つまむ。私はそれには箸をつけられない。先日はキムチがその状態だったのだが、入れ立ての新品だったため、まだ未使用の箸でつまみ、ご飯の上にのせた。母は私が食べる時と食べない時の基準についてすら考えていないのだろう。
こんな時、母に衛生的な指導をしても無駄なので何も言わない。だって今までそれで生きてきたんだから。菌が繁殖しようが、粉ダニが住み着いた小麦粉だろうが、昭和初期に生まれた母にはなんのダメージも与えられない。花粉症にだってなってないし。冷蔵庫のお茶のペットボトルには何か別の液体が入っているし。「母は強し」とはそう言う意味だ。