『敗北と死に至る道が生活』その4810
うちの母はスマホが使えない(届いたメールが開けないレベル)くせに何故若い時、黒電話を掛けられたのだろう。簡単なようでいて、今の若者はあれを使えない。試しに母に黒電話の使い方を聞いた。例えば110番に電話するときの操作を教えてと。1と1と0を回せばいいと笑った。
違う。まず、受話器を外さなければ電話を掛けるモードにならない。何故その説明を端折ったのか?自分がやっているくせに、他人に伝えることは出来ない。だが、詳しく書けば書くほど操作マニュアルというのは読まれない。Apple製品を買っても操作マニュアルなんか付いていない。謎のリンゴシールが同梱されているだけ。仕方なくmouseコンピュータに貼る。どっち向きに貼るかだけが重要だ。相手を威嚇するために貼るなら、モニターを開けた状態でリンゴの上が上になるように貼りたまえ。それがスタバでの最低限のマナーである。
話が電車だけにかなり脱線してしまった。違う。電話だった。受話器を外して番号の穴に指を入れて、止まるところまで時計回りに回して指を離す。戻ったら次の数字で同じことを繰り返す。最後が回し終わったらしばらく待てば呼び出し音が鳴る。
本当だろうか?途中で間違えたらどうしたらいい?「一度受話器を置いて最初から」などという発想は「冗談だろ」でしかない。他人に何かを伝えるのは非常に困難であることから、私はほぼ一日中沈黙している。あなたの周りにもいるだろう。キミが悪い人。それは私かもしれない。