管理日誌エッセイ
『敗北と死に至る道が生活』その25
手足口病という病気を御存知だろうか。私は知らない。
私は甘いものが大嫌いだ。プリンや(ケ)はまだ許せるが、ようかん、おはぎ、などこってりした甘さが許せない。私が例えば江戸時代に生まれていたのならば、こんなにおいしいものは無いと思って喰うことだろう。が、現代はおいしいものが溢れ返っている。わざわざこんなものを食べなくても良い。しかし糖分は脳にとても良いと聞くので意識して食べるようにしている。
親戚の家にいったら"ようかん"が出てきた。今時『ようかんでもてなす』という家があるだろうか。21世紀である。近未来だ。時代に逆行しているそのコンセプトが気に入ったので食べてみることにした。いつ以来だろうか。物心がついてから初めてかもしれない。お茶をすすりながらやっとの思いで食べ終わった頃、「まぁ若いのにようかんが好きなの」と言われ、少し愕然とした。違う。若くないし、ようかんは大嫌いだ。
私は『自分が嫌いなものを敢えて食べる』という自虐的行為が大好き(好)でたまらないのである。
「嫌いなものが大好き」とも言える。このことを人に説明しても誰一人分かってくれないので、説明しないから常に勘違いされてしまう。私が(天)(死ん)だらお墓に"ようかん"を供えられてしまうのだ。悲しい。そして虚しい(汗)いっそのこと殺してくれ。