管理日誌エッセイ
『敗北と死に至る道が生活』その34
私はバナナという植物にほとほと感心するのである。バナナは木でなく(四)草だと聞いたことがあるが本当だろうか。そんなことはどうだっていい。バナナが木だろうが草だろうが私の生活が楽になるわけでもない。
衛生的に皮で包まれているから洗わなくて良い。「こちら側のどこからでも剥けます」的なあの剥きやすさ。繊維質に沿ったあの剥きやすさといったら他に類を見ない。柑橘類も少しはバナナを見習ったらどうなんだ。そして1本が1回の量に最適である。よけいな種や芯などがない。
これほど便利な食べ物がなぜ存在するのだろうか。私は(天)神の存在を意識せずにはいられないのだ。そして神がバナナなど口にしていたら威厳もへったくれもないことも分かっている。
大人は外でバナナをくわえてはいけない。外見が立派であればあるほどに、間抜けに見える。考えてもみて欲しい。Tシャツでバナナはまぁ許せるが、スーツでバナナはどうよ?バナナは相当の破壊力を持って我々の日常に食い込んでくる。