『敗北と死に至る道が生活』その221
マックのCMが流れると私も三味線が弾きたくなる。こうは見えても私は津軽三味線を弾く。じょんがら節をかじる程度だが。津軽三味線は音の粒の嵐といった感じでパラパラ感があってよい。ダウンストロークした後にトリルを一発かまし、アップストロークのときにも一発かます。これを連続するから『パラパラパラパラパラパラ』という非常にきめの細かい粒となる。しかもダウンストロークと同時に本体となっている太鼓を叩くからドラムの音まで入る。
真ん中辺りを叩けば低い力強い音がし、端を叩けば高いカツカツした音が出る。うまい人はダウンストロークの時に微妙に当る位置を変えてこの音を変えていく。高いカツカツした音が徐々に低い力強い音に変わってゆくグラデーションの効いた演奏を生で聞くと鳥肌が立つ。
しかも津軽三味線には機械式のディストーションがついているのだ。わざと弦に微妙に当る金属片を調整することにより音が割れるのだ。これで独特の『べべぇ~ん』という音が出ている。
語るのは簡単だが弾くのは難しいのだ。