『敗北と死に至る道が生活』その321
大人になるとつまらないことでは笑わないものである。中学や高校のころはなんであんなに楽しかったのだろう。ものすごくくだらないことで笑っていた気がする。笑わない大人を見て『つまらない大人にはなりたくない』と思っていた。ところがいざ自分が大人になると笑わない。
例えば
『俺の銀行って入金したまま引きおろせない銀行だからさぁ』
『それってJRA銀行じゃない』
『がははは』
あほらし。こういう疲れる会話はせいぜい二十歳前で卒業して欲しい。となるとある程度まともに過ごしてきた大人たちはもはや笑う会話などなくなってくる。私は30歳を過ぎてからほとんど会話をしなくなった。人に質問されても答えない。2度質問されてようやく答えるそぶりをみせる。だからたまに話すと声がひっくり返る。
『つまらない大人』とはいい年して楽しそうな大人のことだ。お笑い芸人のほとんどが普段は寡黙にしている。うるさい奴ほどつまらない。