『敗北と死に至る道が生活』その418
あなたはニューヨークに対してどうだ。私はニューヨークの雰囲気がとても好きだ。新しいくせに枯れている。消防法だかなんだか知らないが壁面に必ず鉄の階段がついている。屋上に水槽がついている。STING の『ENGLISH MAN IN NEW YORK』の雰囲気だ。しかしこの曲は本当に名曲だな。私の中では20世紀の洋楽ベストワンだ。上品でクール。レンガ造りのアパートが多い。セントラル・パークは広い。向かい側のニュー・ジャージーも含めて落ち着いた雰囲気。枯葉と青空がよく似合う。渋谷みたいに妙な子供たちが徘徊している訳でもない。大人の町。銀座がもっと暗く、シックになった感じ。
最後にニューヨークに行ってから1年。1年しか経ってないのか。私がニューヨークが好きだという違和感より、沢木耕太郎が一番好きな場所は『ハワイ』だという違和感の方が大きい。香港からロンドンまで路線バスで行ったあの沢木耕太郎がだ。