『敗北と死に至る道が生活』その459
私はこのニッポンでただひたすら自分の生活を続けている戦争もテレビの中、遊びも、世間もテレビの中
そのことを愁うでもなくブラウン管の埃を拭う
悲しいことばかり考えている
悲しい夢で目がさめる
強靭だったはずのものが震えている
あなたにはあと何度会えるのだろう
会ったら会ったで特別なことをする訳でもない
面白おかしく話をする訳でもない
でもいつか終わりがくる
必ず終わりがくる
その時のために今何かせねばならぬか
些細なことで笑うだけか
終わりがきても笑っていられたらどうだろう?
やっぱり悲しみで泣く方がいいのだろうか?
とりとめもないことばかり考え
特別なこともなく一日が終わった
電源を切ったテレビは単なる箱だ
いまだ放送は続いているのだろう
私が死のうが誰が死のうが放送は続いてゆくのだろう
私が死んだことも伝えず