『敗北と死に至る道が生活』その468
円錐形は、遠目では三角に見えても真下から見たらまん丸なのだから、旅行に行ってその土地の感想を言うのは間違いだし、何万億通りもある表情の1つを見ただけなのだから、そもそも行ったことにはならない。行っても行っても行ったことにはならないのだから旅行に行くこと自体が間違っているとも言える。我々はこの社会に生きていながら断片しか見ていない訳で、あらゆるものを体験したかのように、あれがどうで、あそこはこうで、誰それは意外に不親切で、あの店はおいしいとかいうこと自体も間違っている。
そんなことを言っていたら生きていること自体が間違っているのだから、死ぬしかないなんていう破壊的な結論に達しそうだからやめておいた方がいいだろうな。