『コマーシャルになると途端にザッピングを開始する生活』その763
『クラウディア 奇蹟の愛』という本を図書館で借りてきた。北朝鮮拉致被害者の話も酷いものだが、こちらは終戦直後旧ソ連に無実のスパイ容疑で拿捕された男性と日本とロシアの2人の妻の話。日本人と結婚していた男性は妻と幼子の目の前で連行されてしまう。日本の妻を思いながらも自身が生き続けるために現地での生活を半ば受け入れざるを得ない。途中、同じような運命を持った現地の女性と結婚する。
以来50年間、スパイ容疑は晴れず。旧ソ連が崩壊し日本と連絡がとれるまで生活を続ける。果たして日本に自分のことを忘れず待っている人がいるだろうか。恐る恐る連絡を取ってみると妻は結婚もせず、夫の帰りを信じて待ち続けていた。
男性は現地の妻を気遣い日本に帰りたい気持ちを口には出来ない。しかし・・・。うぅ。凄い話だ。50年。長い。ロシア人女性妻が相当に立派な人だ。泣かずに読める人はいないだろう。
『人の不幸の上に自分の幸福は築けない』
戦争で被害を受けるのは人間という現実に対し、国家というものはひどく仮想的な存在だ。仮想的だから傷がつこうが借金しようがお構いなしである。