『牛への生活』その1127
朝刊を見ていたら宮沢章夫さんのサイン会があると出ていたので紀伊国屋に行ってみた。昨年から発売されている本で先着150名に整理券を配付しているらしいので、もうダメだろうなと思ったら難なくサイン本をもらった。今のサイン会はオークションに出されるのを嫌ってか、しっかり個人名を書き添えてくれる。おかげで私の順番のところで『書きすぎてくると自分のサインも間違えるようになる』と名言を残しておられた。私がもらったサインは通常と違うサインなのかもしれない。宮沢章夫さんはあまり有名ではないのだろうか?私はエッセイを書く人でこれほど面白い人を知らない。視点がねじれているのでいちいち文章が面白い。私の文体の90%は宮沢章夫さんの影響である。
知らない人は今すぐ彼の本を購入した方がいい。私のお薦めは『牛への道』『茫然とする技術』『青空の方法』『百年目の青空』『牛乳の作法』。特に『牛への道』は"まえがき"からやられる。私はこれを読んでからというもの人に何かを伝えることの無意味さを知って寡黙モードに突入した。それがいいことなのか悪いことなのかは神様だって分かっていない。私がそれでよし。としたまでだ。
とにかく人生にかなりの影響を与えてくれた人であることは間違いない。