『"Time waits for no one"』その1452
赤道直下の国。例えばシンガポールは常夏だからクーラーをつけっぱなしだ。クーラーの排水からは水がちょろちょろ出っ放しなので、それは『水源』と呼ばれ(もちろん英語であるが)近所中の水源が集まってちょっとした川になって海に流れ込んでゆく。この流れは衰えることの無い安定した流れなので小さい魚が住み着いているそうだ。問題はこの魚が遡上する性質を持ち、クーラーの排水ホースを登りたがるのだそうだ。排水ホースは何故かジャバラ状になっているものが多く、登りやすく、クーラー本体にまで入ってきてしまうので、最近はこのホースをつるつるのものに交換する業者が忙しいと聞いた。業者は先端にフィルターをつけるだけで済むことを市民に悟られないようにしている。ホース交換のほうが大掛かりで儲かるからだ。
一方、入ってきた魚は、クーラーの風に飛ばされて室内に出てくる。『どこまで遡上しとんねん』という突込みが入るところだが、あいにくここはシンガポール。メダカほどの小さな魚なので死んで腐って悪臭を放つまで気がつかないことが多い。困った現象ではあるが、この話は最初から全部嘘なので気にしないでくれたまえ。