『柳原加奈子を見ていると癒される生活』その1535
大人になると面倒なことは避けるようになる。他に手段があれば簡単な方を選びがちになる。渋谷から船橋の実家に帰るのも昔は一般道を利用していたが、最近はもっぱら高速道路である。しかしながら一般道を通るとカレーのうまい市ヶ谷のパク森、皇居の桜、靖国神社の様子、御茶ノ水の思い出、昔通勤していた浅草橋、亀戸天神の藤、オヤジと遊びに来た中山競馬場、子供の頃遊んだ神社、防空壕を基地にみたてて遊んだ行田団地。万引きした駄菓子屋・プライスレス。
こういうのを全部すっとばしての高速。壁壁壁壁アスファルト。情緒も何もあったもんじゃない。
これを踏まえて、『東京の空』。ハコで『東京の空』が聞けるとは思わなかった。こんな面倒な曲をライブでやる。自らの意思で。「一番大切な曲です。まぁ全部大切なんですけど」といいながら、ギターのコードカッティング。シンプルな分、瞬間に『東京の空』と分かる。トランペット代わりの石君のワウワウの効いたギター。ピンクフロイドばりのエレカシ史上最長の曲。構成が難しい。
数ある曲の中からわざわざ『東京の空』を選んでみせたエレカシ。大人にっても面倒なことは避けない格好良さ。充実した人生を送るというのはこういうことかもしれない。ミヤジありがとう。って言うとあとで成ちゃんにしかられるから、エレカシありがとう。