『東京事変で本能が薄まってしまった椎名林檎は残念だと思う生活』その1596
昨宵と今宵 Cocco武道館に行って来た。メジャーなステージとはこういうものか。エレカシのシンプル極まりないステージと照明に慣れている私は、現代の照明がかなり進化していることを知って愕然とした。1つのライトから複数の光線が出てくる。色が絶妙なグラデーションまで出せる。Cocco版ガストロンジャーとも言える”Way Out”の8分音符刻みに合わせてライティングをバシバシ変えてゆく。音と切り替えが見事に一致していて鳥肌が立った。おそらく人間業ではない。コンピュータ制御だろう。こんなに激しい曲をこなした人の MC とは思えないほどのやさしいコメント。あっちゃんは東京が大好きです。「東京には空が無い」などとぬかすアホは、きっと自分で見上げることを忘れたのです。批判をするくらいなら、国に帰れとあっちゃんは思います。
「東京の空」という言葉を知っている我々にはなんとも嬉しいコメントである。Coccoは「若いときは愛を求めて破壊ばかりしてきたが、今は愛を提供出来る優しい人になりたいです」というが、もう十分だろう。
Coccoはバレリーナなのでステージが優雅だし、髪を振り乱すパンクスタイルは健在だし、なにより曲のよさが際立つ。Coccoはアンコールをしない。2時間きっちりやって、丁寧に手を振って去ってゆく。デザートまできちんとしたものを出されてこれ以上お腹に入らない状態にさせるので自然にアンコールを求めなくなる。美学を感じるいいライブだった。
ガチャガチャをやったら1回で大当たりのやつが出た。金のCoccoバッジ。(V)