『デジタルでも人は泣く生活』その2095
今月はお金がかかる。貴族でない庶民のみなさんはアップアップだろう。いやダウンダウンか。どうでもいい。THE BEATLES のリマスタリング CD BOX を予約してしまった。ストーンズとの決定的な違いはストーンズは既存の音楽を更に発展させたいわば王道なのだが、ビートルズは革命的にロックを変えた。R&Bの延長ではないキャッチーなメロディー。[LOVE ME DO][HELP!][MICHELLE][HEY JUDE][YESTERDAY]...どれもタイトルが歌いだしだ。[PLEASE PLEASE ME][GET BACK][COME TOGETHER][LET IT BE]...サビがタイトル。非常に覚えやすくみんなが口ずさめる。老若男女にウケる訳だ。
ビートルズを聴くとたまに思う。「所詮ビートルズしか要らないのではないか?」と。後期の音の歪ませ方なんてハードロックだし。それ以降の音楽はほぼビートルズに含まれる。実際はそんなことはないんだけれど。
私が聞いていた頃はレコード盤であり、しかも中学生だったから買えなかった。友人や、レンタルレコード屋で借りてきてカセットテープに録音するという超アナログチックな手法で聞いていた。30cmもの円盤を友達に貸すために学校まで持ってくるのだ。そのうちシングル盤までもが12インチと称して大きくなった。小さくする方向へ努力する人はいなかったんだろうか。
カセットテープなんてのは密着して何ヶ月も置いておくと重なった部分が互いに磁気をコピーしてエコーがかかったような音になってしまうから、意味も無く早送りと巻き戻しを繰り返してあげたり、ターンテーブルを回すゴムベルトが駆動軸に当たっているとそこだけ変形して回転にムラが出来るから聞き終わったら駆動軸から外しておく。なんていうことを信じてやっていたオーディオ芸人だった。
中学、高校とそんな感じで大学の頃からCDが普及し始めたので青春期にハマっていたアーティストというのは逆にCDを所持していない。クイーンもレコード盤は全て持っていたがCDはベストしか持っていない。レッドウォーリアーズやレピッシュなんかのCDはあるけど聞かない。与野党逆転のねじれ国会みたいになっている。そんな時代を生きてきました。
みなさんはレコードもカセットも知らない世代か?そうでもないだろう。全10曲っても5曲目でひっくり返さないとならなかった。今じゃ何曲でも連続再生出来る装置がいくらでもある。当時の私に iPod Touch を見せたらどんな反応するだろうか。喜びや驚き以前に理解が出来ないかもしれない。猿でもウォークマンつけてたあの時代に。
今から20年後、 iPod Touch はきっと過去の遺物だ。どのような音楽再生の方法になっているんだろうか。きっと脳みそに組み込まれているのだろう。それはきっとアナログだ。ヒトの耳がアナログである限りアナログの方がいいのだ。そんなことを言う学者が登場したら私だと思ってくれたまえ。
久しぶりにビートルズのコード譜をひっぱりだしてきて愕然とした。「エリナー・リグビー」は Em,C だけで出来ている。。。Em7とかおかずはあれど基本2コードだ。そんであんなに切ない。メロディーとコードの関係がいまいち理解できていないが。