『敗北と死に至る道が生活』その3307
地図をなくした気がした。そもそも地図なんか持っていなかった。道に迷ってふと見上げた夜空に星がまたたいていた。両手を広げて深呼吸する。満員電車に揺られ下ばかり見つめて歩き、意味の分からない肩書をもらって誰も読み返さない議事録を作成する。定年まで諦念するような人生を思考停止しながらロボットのように歩いていた私にも星は輝いていたというのに。と、非正規雇用の契約を切られた事実を美化してみる。
老後の不安で今を楽しめていない。という人は多いんじゃないだろうか。老後が不安だからと貯蓄している。スティーブ・ジョブズだってあの若さで逝ってしまう。60で死ぬか90まで生きるか分からない。ならば貯蓄型でなく、生きる分はその都度どうにかするという「その日暮らし」の方が人間らしい生き様かもしれない。
老後は海外旅行でもして・・・なんて思ったら大間違い。ヨーロッパの世界遺産は当然エレベーターなどない。凱旋門だってノートルダム寺院だって結構な螺旋階段。若いうちにいろいろやって老後は縁側でお茶。それが理想。働き方のバランスを考えることにした。