『敗北と死に至る道が生活』その3849
テレビとビデオだけを接続するのになんでこんなに配線が多いのだろう。昔は電源とアンテナ線だけでよかった。今はテレビもビデオもLAN回線を接続できるし、「ビデオを見るときは2ちゃんねる」などという行為もないので、別途HDMIケーブルが必要になる。まぁRCAじゃないだけマシなんだが。RCAとは赤白黄色のケーブルだ。そんなこんなでこんがらがって、ゆくゆくはほこりまみれになる。全部無線にならないものだろうか。効率は悪いが電気も無線で飛ばせるらしい。「ビデオを見るときは2ちゃんねる」って、もしかして知らない?昭和の時代のテレビという物は進化の仕方が優しかった。既存ユーザーを切り捨てることなく進化してきた。初期のテレビは白黒でモノラルだった。そこからカラーにするのだが、白黒ユーザーにはカラー放送も白黒に映るように工夫されて信号を送った。既に家庭に入った受像機を修正するわけにはいかないからだ。更にはステレオや二か国語が追加されるが、モノラルユーザーはステレオが混ざって聞こえるように、二か国語は主音声しか聞こえないように工夫されて信号を送った。既に家庭に入った受像機を修正するわけにはいかないからだ。そしてビデオというものが発売されるが、さぁ困った。テレビはそういう接続形態を前提に作られていなかったのだ。技術者は考える。ビデオ出力をテレビ信号に変えてNHKに挟まれて余っている「2チャンネル」に信号を送ればいいと。入力はアンテナしかなかったのだ。何度も言うが既に家庭に入った受像機を修正するわけにはいかないからだ。
なので昭和に生まれた人は「ビデオを見るときは2ちゃんねる」で見ていた。現代は既存のテレビを引き継ぐことなく地デジ対応するからテレビを買い替えろと冷たい。世知辛き浮世。