『敗北と死に至る道が生活』その4807
電波を拾わない生活。何かが当たっている。電車内互いに後ろ向き同志。トートの部分が背中に当たる。誰かのトートバックのトートの部分が私の背中に当たる。そのことに持ち主は気がついていない。悪気はないのに相手にダメージを与えることについて、我が身に翻って鑑みるに気をつけたいものだが、健忘症のせいで、妻が不安になるほどだ。
若い頃は素数になりたいと思っているが、せいぜい奇数くらいにしかなれずに、加齢とともに偶数になるから不思議なものだ。そしてその偶数になりたくないのかと思えば、偶数でいいやと思うのである。みんなそうなのだろうか。