『敗北と死に至る道が生活』その5313
酷く深刻な状況のさなか、人は洗濯機を回す。状況がいかに深刻であっても人は洗濯機を回した。洗濯機は深刻な状況であっても人に回されれば回る。人に回されなければ回らない。深刻な状況というエネルギーが無くても洗濯機は回るだろう。ただ、洗濯機が回っているだけでは深刻な状況とは言えない。
虫歯を治療する。虫歯などならなければいい。セラミックにしてしまえばいい。病気にはなりたくない。肉体を治療する。脳のAI化が進み、金がある人は脳みそをクラウドに移行していると聞くが、自分には関係ない話だと思っていた。イーロンマスクが脳みそをクラウド化するビジネスを始めると言い出してから10年。病気になることもなければ、人に刺されることもない。肉体が無いのがこれほど便利だとは。