『敗北と死に至る道が生活』その98
アメリカ出張が入ってしまった。日本からアメリカに行くと不思議なことに、出発した時刻よりも到着した時刻の方が過去だ。一種のタイムマシンである。
そして更に混乱することに、私が訪米する日はDSTの終了日だという。DSTとはサマータイムのことだ。正式にはデイライトセービングタイムだからDSTだ。
日本がDSTを実施していないことは明らかだが、アメリカの中でも実施していない州があるらしい。ハワイなんかやっていない。アリゾナとインディアナもやっていないらしい。混乱しないのだろうか。
例えばアリゾナから他の州へ飛ぶ飛行機の発着時刻はどうなってしまうのだろうか。考えただけでも混乱する。よく落ちないもんだ。
私が着いた日の夜中に1時間戻す。夜中の2時になったら1時にするらしい。1時間長く寝られるということか。どうせ時差があるのだから訳の分らないまま受け入れるしかないのだ。
そして日本に帰ってきて私の部屋に私が既にいないことを願う。時間が混乱して先に帰っている奴がいるかもしれないからだ。どっちが出て行けばいいのだろう。