『敗北と死に至る道が生活』その139
不幸が不幸のまま終わる映画としてはビョークの『ダンサー・イン・ザ・ダーク』があるが、私は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は割と好きだった。北野武『Dolls』を見てきた。人生の貴重な時間を失いたくなければ映画など見ないことだ。私は『Dolls』を見て改めてそう思った。
菅野美穂の演技は素晴らしい。ほとんどセリフの無い北野作品にはうってつけの名演技だ。主役の男からは『愛』が感じられなかった。『愛』で埋め尽くされていれば、それなりの映画になったはずだ。
映像の美しさだけで映画を撮るなんて晩年の黒澤明のようだ。