『敗北と死に至る道が生活』その164
ここ3年くらい私服はコムサの黒ばっかりだった。なんだか最近は飽きてきたのだ。知的に見える分、くそガキどもが好んで黒を着るようになったためか、黒の威厳も落ちた。かと言って赤や黄色、オレンジと言いった服装もまたいかがなものかと思う。ポール・スミスの表が黒で裏地が真っ赤なスーツでさえ、脱ぐとき恥ずかしくなってきた。下は単純にブルージーンズでいいと思う。夏だったらこれに白い無地のTシャツだろう。俺はアメリカで生まれた(Born in the U.S.A.)とでも言えばいい。冬はどうだ。まったくどうでもいいネルシャツなんかどうだろう。アメリカのニュージャージー辺りの片田舎の青年のような格好だ。こうなると『ファッションに無頓着』な奴の格好と何ら変わらなくなってくる。物事は一周すると元に戻ってしまうのである。何も考えない状態と何か考えた結果が同じだとしたらどうだ。あとは毅然とした態度で歩くしかない。