『敗北と死に至る道が生活』その174
えーっと、どうでもいいことですけど、何かを食べる度に一番最初にレシピを考えたのは誰なんだろう。ということです。特に『油で揚げてみよう』と発想したのは誰なのだろうか。例えば『酒』は竹の切り株に水がたまって、そこに小鳥がくわえた米が偶然落ちて発酵したものを村人が見つけ、飲んだら天にも昇るような感覚になったと言われている。だから、さんずいに酉(とり)なのだとか。しかしそれ、飲むか。訳のわからない液体。
ところが油で揚げるというのは偶然ではない。たまたま油が高温で熱している場所にたまたまエビが飛び込んで、たまたま通りかかった漁師が食べてみたらうまかった。
田中耕一さんより偶然が重なりすぎている。
私は天ぷら好きです。おいしい荒塩で食べたら『たれ』なんかつけたらもったいないくらいです。粋だ。天ぷらは粋だ。