『敗北と死に至る道が生活』その191
昔ブルーチップというのがあった。何か買うと切手みたいな紙切れをくれて何枚か集めると商品と交換出来た。私は母に願って望遠鏡と交換してもらった記憶がある。母は自分で何か欲しかったに違いない。しかし私のために望遠鏡になってしまった。それで見た月はクレーターまで見えてとても感動した。覗いているうちにも月は移動していて意外に早く動いているもんだと思った。私が天文家にでもなれば母は喜んだだろうが、今じゃこのていたらくぶり。申し訳ない。親はありがたいものだ。もし私に子供がいて子供に望遠鏡をあげるだろうか。知らん奴に物なんかあげるのはもったいない。将来世話してくれるかも分らないクソガキに何でも買ってあげない方がいいですよ。豊かさはどっちらけをもたらす。