『敗北と死に至る道が生活』その217
私はあまり外食をしない。面倒だからだ。行くのが。でも家でほうれん草を茹でたり、ハンバーグを作ったり、クラムチャウダーを作ったりする方がよっぽど面倒なのである。しかも一人分ともなると材料やら水、ガス、電気、後片付け、などなどを考えると外食した方がよっぽど安上がりなのである。あなたにはきっとお気に入りの外食屋があることだろう。私が唯一心を許したファミリーレストランがある。『ジョイフル』という関東地方では滅多に見られないファミリーレストランである。ここのペッパーハンバーグはものすごくうまい。油が塩味だ。牛肉だかなんだかはっきりとは分らない。しかしながらハンバーグをナイフで切ると肉汁のような油が白々しく滲み出てくる。その美味さといったら他の追随を許さないのである。マルシンハンバーグをものすごく美味くした感じだ。
私がアルバイトをしていた鮨屋はネギトロを作るのに赤身にラードを混ぜてミキサーにかけていた。ニセ中トロ状態だったが本物より美味かったのである。しかるに本物がうまいとは限らないのである。フランスでは日本のカニかまぼこが絶賛されているとも聞く。
『ジョイフル』の本社は大分県。九州地方では猛威を振るって繁栄している。九州に行かなければ食べられないのかと思っていた矢先、私の実家近く(船橋)からぶらぶらドライブした所(千葉県の多分印旛郡白井)に存在することが判明したのである。以来私は実家に行くたびに外食をするというなんだかよく分らない人生を歩んでいる。