『敗北と死に至る道が生活』その278
そんな春の午後、あなたの人生は平坦ではないだろうか。人生山あり谷ありだと疲れる。「なみへぃ」のような生き方で十分だとも言える。実家の近所に酒屋がある。三河屋さんではない。俺が中学生のころの通学路なのでよく覚えているのだが、そこの店主は未だに店主だ。多少老けたが、あのころの人と同一人物だろう。20年近く前から同じ仕事をしている。毎日毎日酒を売っている。配達している。飽きもせず。立派だ。一つの職業を立派にやり遂げる。日々の生活はややもすると飽きがちだ。何が足りぬ。そう思って旅に出てしまう人は一体どういう訳だ。狩猟民族と農耕民族の違いか。ともすれば私は狩猟民族なのだろうか。一定の場所で安定した暮らしが出来ない。「終わり」が無いと落ち着かない。つまらぬ日常が繰り返すのが怖いのかも知れない。