『敗北と死に至る道が生活』その398
今朝地震で目がさめた。東京でも少し揺れたのである。5時に微妙な揺れで起きるというのもなんだか爺くさいが、私は地震に敏感なのだ。揺れたらすぐ気が付くように壁に錘(おもり)をぶら下げてある。揺れたらカタカタ壁にぶつかる。そうすると私はベランダの扉と玄関の扉を開け放つ。様々な障害物が都会を覆うだろうから、皮のパンツと皮のジャケットをいつでも着用出来るようにしてある。パジャマなんかで逃げたらガラスでどこかを切ってしまうかもしれないからだ。
マンションが倒れるかもしれないが、傾いた逆側の窓から脱出して傾きを利用しつつ壁を1階まで駆け下りようと考えている。ビルが倒れると同時にタイミングよく駆け下りればなんとかなるんじゃないかと思っている。ちなみにここは13階。
玄関には非常用のリックサックがあり、中には寝袋とラジオと懐中電灯とあひるの人形が入っている。誰かが笛を用意しとくといいと言っていた。瓦礫に埋まったら笛を吹いて存在を知らせるらしい。しかし呼吸が苦しい場合は吹けない。あひるの人形は手で押すと『ピーーー』『ピーーー』『ピーーー』と鳴る。100円ショップで自転車の警笛用に売られていたものだ。