『敗北と死に至る道が生活』その414
栄養学的に言えば味覚なんかなくったっていいのかもしれない。舌が味を感知するのは食物が腐っていないか、毒ではないかということを察知するからだと私は思う。私が思うだけであって正しくないかもしないが、私が思うことはたいてい正しいから困ったものだ。『おいしい』って何だろう。物がおいしいことにどれほどの意味があるのだろう。おまけに体にいいとされるものはたいてい不味い。私は幸いなことにグルメではない。焼肉なんかも叙々苑程度で十分だし、プリンなんかパステルのなめらかプリンで十分だ。カレーなんか神田共栄堂よりもチェーン店『インドのとなり』の方が好きだ。やっぱりおいしいは必要なのか。
味覚と同等なくらい食感は大切だ。ブロッコリーなんか1分程度茹でた状態がパリパリしてうまい。シンプルな卵かけ御飯も混ぜる回数によって全然違う。ごはんと卵と醤油をからめる程度。それ以上混ぜたら空気が入って食感を損ねる。
人によって味覚は違うのだから『おいしいって聞いたけどそうでもないじゃん』という発言は間違っている。なんだって喰え。