『敗北と死に至る道が生活』その427
昔、『(象)象が踏んでも壊れない』という筆箱があった。子供心にも「そんな馬鹿な話があるもんか」と思ったものよ。だいいち教室に象なんていなかった。友人の高原君は少し太めで頑張っていた。彼は給食を食べてるときでも、何故か常に汗をかいていた。かき氷喰ってるときも鼻に汗をかいていた。冬でも半ズボンだった。子供心にも「西城秀樹みたいだ」と思ったかどうか昔のことで忘れてしまった。
ある日、高原君は『(象)象が踏んでも壊れない』という筆箱を踏んでしまった。『(象)象が踏んでも壊れない』という筆箱は何故か、高原君が踏んだら壊れてしまった」。
それ以来彼は「高原君」と呼ばれている。