『敗北と死に至る道が生活』その436
ディナーパンを買った。フライパンだが9,900円もする。鉄鍋を洗わずに使い続けるのは中華料理屋の話で一般家庭では無理だ。私だってあんな厨房があったら何でも出来る。床が汚れようが壁が汚れようが店だ。外食というのはそういう為にある。ディナーパンは油が要らない。油が要らないならテフロン加工ではないかと思うが、テフロン加工は元は鉄板なので温度にムラがあるから、使っているうちに火当りが強い部分だけ劣化してくる。
ディナーパンは内部構造がスポンジ状なので全体が均一の温度になる。ためしに目玉焼きをやってみた。温度計がついているので適温がわかる。適温になったら弱火にする。卵を割り入れる。透明のフタもついているのでフタをしてしばらく待つ。
黄身がいい感じになったら出来上がり。フライ返しで取ってみると気持ちいいくらいに目玉焼きが取れる。ディナーパンには何も残らない。洗わなくてもいいくらいだ。油を敷かずに、きれいに目玉焼きが出来た。広告では体脂肪が減った人の話が出ていたが、毎日のことだからそうなのかもしれない。
焼きそばを焼いてみた。これも油はいらない。ワンルームなので油が飛ばないというのはかなりメリットだ。ほうれん草は水を切らずにそのまま入れれば1分で茹で上がる。茹でずに蒸す感じで出来る。私はディナーパンと何の関係も無いがこれはなかなか良い。
強いて欠点をあげれば温度計の音に驚く。適温になったらバイメタルが『バチッ』となる。戻るのにもう一回『バチッ』となる。これは忘れた頃鳴るから余計に驚く。
フタは強化ガラスだからいきなり冷やさない。簡単に割れてしまうことだろう。カラメルを作った強化ガラスの容器を濡れたシンクに置いただけでヒビが入ったことがある。私は割れたガラスが大嫌いだ。