『敗北と死に至る道が生活』その645
『21世紀今日現在このニッポンじゃ、さほど俺の出番望んじゃないようだが』エレファントカシマシはこれだけ凄いバンドなのに何故売れないのだろうか。感性がゆるゆるの人が多いからだろうか。私には分からない。興味が無かった人が聞くチャンスがあまりないし、聞かせるチャンスもあまりない。ヒットチャートに乗るには売れないといけないし、売れるにはヒットチャートに乗らないといけない。だとすると今売れている人たちは何がどうなっているのだ。
訴えかけるには第一ステップとして存在を認識させないといけない。『今のエレカシ』の存在を認識している人たちは既にエレカシのファンだ。
例えば私の地元の裏路地に中華の店がある。私はなにげなく通りすごしていた。どこにでもある普通の中華の店だろうと。しかしそこがテレビで紹介されていた。ネットで調べてみると横浜の大世界に餃子を出品していることが分かった。いざ行ってみると、芸能人のサインが数十枚掲げられていて、酢豚は絶品であった。
このように『宣伝』ひとつで多くの人間がそれを認識するようになる。最近のエレカシはあまりメディアに出ない。結局独り芝居の心の生贄だったころのミヤジのイメージしかなく、さらば”俺に帰った”『俺の道』、『扉』路線のエレカシはまだ認識率が低いのだろう。『今のエレカシ』を真剣に聞いて心に何も残らないという人はいないと思う。それとも、「それはあなたがマニアックなファンだからそういうことを言うのだ」と言われるのか。それならそれで構わないが、あれほどのバンドを見過ごしている人が日本に沢山いるというのは事実だろう。こんなことをここで言ってもやっぱりエレカシファンにしか伝わらないのだ。
『構わねぇ俺はまだ生きている』
宮本はこんな戯言さえ乗り越えて力強く前に進んでいる。格好いい。